今日は10月25日。
　明日は26日。

　何の日かわかるかね、諸君。

『オッパイオフィス～超敏感Kカップ!!豊條詩織28歳』の発売日だ！

　楽しいじゃないか、人生は。
　気持ちいいじゃないか、オッパイは。

　というわけで、DLsiteでは告知が始まり、体験版がダウンロードできるようになっている。

　もうすぐクララが立つのね。
　うん。
　わしのあそこも勃つのだよ、詩織。

　このブログ記事は淫乱ではなくただの下品だが、ゲームの方は巨乳と背徳を味わえるようになっているので、お楽しみに。
　

　10月26日、鏡裕之の新作ゲームが発売になる。

　自分にとっては久々の、ダウンロードゲーム。シナリオの完成は去年。しかし、依頼をいただいてから、半年以上掛かってしまった。

　ずっとずっと原稿を待ってくださったソフトハウスの方。
　ありがとうございました！　そして、すみません!!

　というわけで、タイトルは、『遅れてごめんなさい』ではなく、



『オッパイオフィス～超敏感Ｋカップ!!　豊條詩織28歳』。

　ダウンロードゲームらしいタイトルでしょ？
　オッパイオフィスというタイトル通り、会社が舞台。『オッパイ妻』シリーズと同じ、下着会社デジールでの物語だ。
　簡単にストーリーを紹介しておこう。

　上宮涼太は、大手下着メーカー『デジール』のブラジャー課に務める入社４年目のサラリーマン。仕事はブラジャーの企画開発。まだチームリーダーとして企画に参加したことはない。
　ある日、涼太はブラジャー課の美人課長、鷹美彩華（たかみや・あやか）から思いがけない誘いを受ける。


「あなた。Ｊカップのブラを、つくってみない？」

　生まれて初めてのチームリーダーとしての仕事。興奮を覚える涼太だが、Ｊカップは日本では超希少なサイズ。正直、あまり需要の見込める市場ではない。

「断っておくけど、リサーチ代は出ないわよ。だってそうでしょ？　せいぜい１万～２万人ほどのマーケットに、調査費用なんか出せると思う？」
「主力商品じゃないの。それほど収益が見込めないものに、お金を費やすわけにはいかないの」

　なかなか世間と美人課長は冷たいじゃないか。
　ただし、助手は１人、つけてくれると言う。

　案内された会議室で待っていたのは――



　――涼太の片思いの人にして、去年友人と結婚して人妻となった、豊條詩織だった。

　彼女が選ばれたのは、元デジールの社員だったからだけではない。詩織は、規格外のバストの持ち主だったのだ。



　あ、いけね。
　じらすつもりが、先に見せちまった。

　トップ108.1cm
　アンダー72.5cm
　標高35.6cm

　圧巻のＫカップ――。

　試着の相手としては、まさにうってつけ。そして欲情の相手としても――。

　きっとこんなふうに、試着したＫカップを眺められるに違いない。
　そして、

　こんなことも――

　脱がせて生乳を拝むことも――

　しゃぶりまくっちゃうことも――。

　予算も期待も少ないけれど、詩織さんと仕事できるなら――Ｋカップの人妻と仕事できるのなら……と、淡いロマンスと甘い欲望の期待に、涼太は興奮を覚えるのだった。

　グフフでしょ？
　ゼビアみたいに「ぐふふふ」って笑わないけどね。

　もちろん、パイズリも用意されています。
　フェラチオも、乳揉み挿入も、乳吸い挿入も、あったはず。

　おまけに、ヒロイン豊條詩織は、人妻。
　大学時代の友人の奥さん。

　ってことは……。

　背徳とか……

　こっそり密室でエッチとか……

　インモラルなシチュエーションが待っていてくれたりするのか？

　もちろん、強烈なオッパイフェチ作品であることに間違いはない。
　お楽しみに！

　発売は、今年2012年10月26日。

　モニスタラッシュから。

　1365円（税込）です。

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　以前と以後は世界が違う。
　キャストオフ以前は、スカートのはね具合など、全体のフォルムを眺めるためのものに思える。けれども，キャストオフ以後は、オッパイへと視線が誘導される。
　七つの大罪。
　彼女の場合、その１つは大きな胸を持ってしまったことだろう。そしてそれで何もしてくれないこと……に違いない。
⇒画像はこちら！

　

　今、東京ＭＸでの再放送を見ている。
　いまさらながらの『TIGER＆BUNNY』だが、非常に興味深い。

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　70年代的ヒーローのパロディだね。

　茶化している、からかっているという意味でのパロディじゃない。
　真面目な意味でのパロディ。
　批判的変奏曲と言った方が正しいかもしれない。平たくいえば、批判ね。
　

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　60年代まで、人々は正義というものが確固としてあるかのように考えていた。

　正義はいつだって正しく、世の中にはちゃんと正義というのがある。
　神のように、正義は超越的に存在している。
　遍く高く、正義は我々の頭上に輝いている。

　正義が悪？
　そんな馬鹿なことは起こらない。正義は正義。
　正義は普遍的なものであって、決してローカルなものでも局部的なものでもないのだ。

　それを体現したのが、70年代の特撮ヒーローたちだった。
　超越的に正義が存在することを示すかのように、『月光仮面』は「どこかわからないところ」から現れる。悪はとりあえず、悪であるという理由によって悪さをする。
　
　人々が苦境に陥った時、悪が勝利を収めようとした時に、正義は必ず現れる。そして、悪に対して正義の鉄槌を喰らわす。まるで人々を天空から見守っている神のように――。

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　だが、今や、正義は相対化されている。
　アメリカの正義とイラクの正義は違う。テロリストにだって正義はある。テロリストの正義はアメリカにとって悪であるが、アメリカにとっての正義は、イラクにとっては悪である。

　表現規制に置き換えるともっとわかりやすい。
　表現規制論者からすれば、漫画＆アニメの規制は正義であるが、我々オタクにとってみれば悪である。

　正義は普遍的なものではなく、国家単位、組織単位のローカルなものでしかない。
　おまけに、しばしば捏造される。
　アメリカはフセインの罪を偽造することで、正義を捏造した。そして捏造した正義の下、イラクに鉄槌を喰らわせた。

　正義は、もはや信用できない。
　正義は、国家のイデオロギーによって生み出される、でっちあげ品だ。

　それが今の時代である。
　そして今は、コマーシャリズムの時代でもある。

　その現代の姿を見事に表現しているのが、『TIGER＆BUNNY』だ。

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　『TIGER&BUNNY』は、超越的に存在するヒーローではない。
　70年代的フィクションでは、正義のヒーローは超越的な存在として描かれていた。しかし、『TIGER&BUNNY』ではそうではない。

　主人公はスポンサーの意思を無視できない。
　視聴率を稼ぐために、ディレクターの要求する登場シーンの台詞を言わされる。正義までが、商業化＆ショー化されているのだ。
　
　なんという皮肉！　なんという相対化！　なんというパロディ！

　主人公はどっぷり生活の中にはまり、企業にも属し、思い切り現実まみれのしがらみの中で生きている。10年代的フィクションの中では、正義のヒーローはすっかり超越性を失って、生活と商業主義の中に埋没している（我がファンの１人は、四畳半的ヒーローと形容した。至言である）。

　『TIGER&BUNNY』は、今という時代を非常によく表したフィクションだ。

　もちろん、映像的な価値やエンターテインメント的な価値がないというわけではない。
　アニメじゃなきゃできない映像。アニメじゃなきゃできない物語。クオリティの高さは疑うまでもないけれど、それとは別の次元で、『TIGER&BUNNY』は、社会分析的に非常に興味深い作品だ。

【 関連記事 】
⇒格差社会の反逆児～『コードギアス　ルルーシュの反逆』～
⇒『コードギアス』はナショナリズムか～超越者の空白～
⇒なぜ、今2010年代にヤマトなのか～『宇宙戦艦ヤマト2199』による日本人的同質性の想像的回復～

朧村正 紺菊 1/8 完成品フィギュア[アルター]《02月予約》 価格：7,320円（税込、送料別）

　これは凄いね。
　胸のボリュームも造型も、ぴか一。ここ最近の巨乳フィギュアの中では、ずば抜けている。

　いや、ずば抜けすぎている。
　バレーボールを詰め込んだみたいな凄いバスト。

　人工的な、あまりに人工的な。
　アーティフィシャルなラインだが、爆乳に期待される１つの側面を、パーフェクトに、エロティックに、体現している。

一騎当千 集鍔闘士血風録 関羽雲長 -水着ver.- 1/7 完成品フィギュア[グリフォンエンタープライ... 価格：6,030円（税込、送料別）

　相変わらずうまいね～。
　乳房の外側の曲線、乳首の突出具合。そして、腰のライン。

　実に嬌かしい。
　特におへそまわりと、ウエストからヒップにかけてのラインに、豊麗さを感じるね。
　　
　おまけにキャストオフ。
　いい女だなあと思える逸品だね。

　でも、個人的にはこちらの方が秀逸かな？

一騎当千 集鍔闘士血風録 関羽雲長 -寝そべりver.- 完成品フィギュア[グリフォンエンタープライ... 価格：5,960円（税込、送料別）

　この乳房のたわみ具合、床に押しつけられてひしゃげた感じ。
　神技だね。

百花繚乱 柳生十兵衛 -闘姫乱舞- 覚醒ver. 1/6 完成品フィギュア[Q-six]《01月予約》 価格：13,920円（税込、送料別）

　ボリューム満点のバストだね。
　リアルで計算すると、間違いなくＪカップ以上。そして、ロケットバスト。
　通常版はこちら。

百花繚乱 柳生十兵衛 -闘姫乱舞- (通常版) 1/6 完成品フィギュア[Q-six]《01月予約》 価格：13,920円（税込、送料別）

　なぜ男性は女性のバストに惹かれるのか。
　多くの人が説明しようとするが、たいていの人間は性差を忘れている。つまり、それが男性だけにあてはまるのかどうか、という検証を忘れている。

　たとえば、『The Chemistry Between Us』。
　ロケットニュースでも取り上げられて話題になっているようだが、巨乳の専門家から見ると不十分すぎる。


　著者２人の説明はこうだ。

　赤子が乳房をさわると、母親の脳内でオキシントンという神経化学物質が分泌する。このオキシントンの分泌によって母乳の分泌が促進される。さらに、母親の注意を子供に向けることになる。
　著者は次のように結論づける。

「男性の胸好きは、恋人的かつ親子的つながりを生み出す強力な “つながり回路” をオンにしようとする、進化のなかで生まれた無意識な欲望である」

　馬鹿も休み休み言え。
　男は母乳を吸って育ったが、女性は母乳を吸って育っていないと言うつもりか？　女だって、同じように乳房を吸って育っている。つまり、女性にも「恋人的かつ親子的つながりを生み出す強力な “つながり回路” をオンにしようとする、進化のなかで生まれた無意識な欲望」があると考えるのが妥当だ。

　だが、乳房にこだわるのは圧倒的に男性である。なぜ？　なぜ同じ欲望が男女ともに埋め込まれているはずなのに、女性はそれほどこだわらなくて男性はこだわるのだ？

　この性差をめぐる謎について、『The Chemistry Between Us』の著者は充分な説明ができていない。性的なことを考えるときには、「これは男性に当てはまる、でも、女性の場合は？」と相対化すること、メタレベルを引き上げることが重要だが、それすらできていない。

　なんてお粗末。なんて頭が悪い。

　こういうお馬鹿な論者が多いのだ。だから、「乳房にこだわるのは、オッパイを吸っていたときの名残」なんて
馬鹿なことを言う学者も登場する。

　オッパイを吸っていたのは、男も女も同じ。その理屈では、なぜ男の方が圧倒的に乳房にこだわるのか、説明できていない。

　本当の理由は、拙著『非実在青少年論～オタクと資本主義～』に記してある。タイトルこそ非実在青少年論だが、拙著は、性的嗜好の謎がわかるようになっている。性的嗜好を理解した上で、秋葉系文化を見ていこうという評論だ。

【送料無料】非実在青少年論 [ 鏡裕之 ] 価格：1,890円（税込、送料別）

　簡単に説明すると、男性が女性のオッパイに惹かれる理由はこうだ。

　１つ目の理由はＤＮＡ的なもの。
　乳房がよく発達してウエストがくびれた女性は、エストロゲンの分泌がよく生殖能力（妊娠能力）が高いと考えられるので、無意識に惹かれる。

　２つ目の理由は心理的なもの。
　第二次性徴を迎えると、男の子は大人の戦士として戦うことを求められる。母性的な子供の世界から切り離されて、社会という厳しい父性的な世界で戦うことを求められる。
　父性的世界では、疲弊する。男性性も傷つく。その疲れ切った心をいやす母性的なものの象徴――それが乳房ということだ。

　女性の場合、男性ほど男性性を酷使しない。そのため、乳房による男性性的回復はそれほど必要にならない。また、女性自身が妊娠する主体であるため、相手に妊娠能力の高さを求めない。

　したがって、女性よりも男性の方が乳房に強く惹かれるのである。
　ちなみになぜＣカップが一番人気があるのかも理屈があるが、それは拙著『非実在青少年論』にて。

　アメリカの文豪ヘンリー・ミラーが残したポルノ小説（正確には性愛文学）『オプス・ピストルム』の中に、凌辱ものの謎を解く一節がある。

　作中、ミス・キャベンディッシュという女が登場する。主人公は「さも気がありそうな素振りを見せて男をからかって楽しむ、”コックティーザー”」と記している。

　性的なことをよく話して思わせぶりな態度を見せるが、決してやらせない女。男を性的にからかってよろこんでいる女。その女に対して、主人公たちが一様に怒りを感じて懲らしめることになる。
　主人公ももちろん手伝うことになるのだが、その際、こんな叙述が現れるのだ。

　わたしはこれまでに一度も強姦をしたことがない。つねにわたしにはそれがとても愚かしいことに思えたのだ。だが、それは男を悩ましてはうまくはぐらかすこの狡い女に出会うまでのことである。今やわたしは強姦に双手をあげて賛成だ。これまで女から衣服を剥ぎ取るのにこの女を裸にするほどの楽しみを味わうことはついぞなかった。（p64）

　キーになるのは、女への怒り、憎悪である。「この野郎！」と思わされる体験を、女にさせられた。その積み重ね、その強さが、強姦に対する心理的態度を変更させる。

　ヘンリー・ミラーは「強姦」として記しているが、実際には「凌辱」と言った方が正しいだろう。
　実際の行為としての強姦は、面識のない者同士の行為をベースにしている。強姦とは、暴力や脅迫によってセックスを強要して犯すことだが、それは未知の者同士の方が作用しやすい。既知の者同士だと「誰々に言うから」というブレーキが作動する可能性が残るからである。未知の者同士では、そのようなブレーキは存在すらしない。

　ポルノが強姦を描く場合、人間関係を物語に組み込むため、既知の者同士という関係性を使う。『オプス・ピストルム』の強姦プレイは、既知の者同士のプレイである。したがって、したがって「凌辱」として捉えた方が本質的だろう。

　ヘンリー・ミラーは、凌辱を受け入れる鍵を、女に対する怒りや憎悪として描いている。これは筆者が、『非実在青少年論～オタクと資本主義～』で述べていることと同じだ。

どんどん声を強め、態度を大きくしていく女性に対して、この野郎と思う男性の気持ち。それを物語という装置の中で解消したのが、凌辱ものや調教もののハードポルノでした。（p122）

　女性は、凌辱されるヒロインに自分を重ねて「女への誤解を招くもの」「女を襲ってもいいとして描くもの」として捉えてしまうけれど、それは被害妄想でしかない。
　
　よく考えてみるがいい。クラスの男子のうち、何人があなたを犯そうとしたのか。普通は犯さないのが、少なくとも日本の男性なのだ。

凌辱系を好きな人は、幼少期から思春期の頃に、女性との間に不幸な経験があり、その結果、女性を憎悪する気持ちが強く残ってしまった人が多いのではないか、とぼくは思っています。（p282）

　ポルノを敵視するとは、男性の性欲を敵視すること。しかし、男性の性欲は、仕事欲求と結びついている。男性の性欲≒仕事欲求を敵視して、でも男性に対して500万円以上稼げ、しっかり仕事しろとは、こはいかに。虫がよすぎるのではないか。都合のいい側面だけ好きになって都合の悪いと自分たちが思う側面は切り捨てるような考え方では、女性が望むような結果は訪れまい。ポルノを拒絶する思考やポルノを切り捨てる思考からは、女性は何も得られないのではなかろうか。

　お尻がいいよね。
　そして、隙のあるバストまわりが煽情的。

　三角ビキニは乳房には小さすぎる。正面から見ても、側面から見てもね。
　思わず斜め後ろから手を突っ込みたくなるくらいの、隙のあるバスト。サイトで是非確認してほしい。

　造型師さん、いい仕事をされてるね。
　ほとんどのサイトで売り切れているが、次のところではまだ販売している。

塗装済み完成品フィギュア★スカイチューブ　百花繚乱サムライガールズ 千姫 水着 Ver. 価格：8,980円（税込、送料別）

百花繚乱 サムライガールズ　柳生十兵衛 水着ver.（スカイチューブ） 価格：6,426円（税込、送料別）

　これは横から眺めるフィギュアだね。
　実は正面からみると、髪が邪魔になってしまう。
　同じ柳生十兵衛ならば、こちらの方がいいね。

百花繚乱 サムライガールズ 柳生十兵衛 水着ver. 完成品フィギュア[あみあみZERO]《発売済・在... 価格：6,200円（税込、送料別）

　こちらの方が安心してオッパイを眺められる。
　買うなら、こちらだね。

　岩波ホールで、『イラン式料理本』という映画を見てきた。
⇒『イラン式料理本』公式サイト

　ＢＧＭもなく、エンディングテーマもない映画。
　手書きのスタッフロールが無音で流れるさまは、なかなか普通の映画では味わうことができない。文学的に言うと、これが異化作用か？

　いま現在、『イラン式料理本』を上映しているのは、国内では岩波ホールだけだ。その岩波ホールも、今月15日から16日から、ポーランド映画の上映に切り換える。正味あと10日ほどしかない。

　わざわざ普通の人が行かない映画を見に行ったのは、きっとＤＶＤで販売されることはないだろうと思ったから、つまり、まさにこの映画館でしか見られないだろうと思ったからだ（予想を裏切ってＤＶＤになってくれれば、それはうれしい）。

　というわけで、『イラン式料理本』。
　料理のハウツー本ではない。映画である。だが、映画というより、ナレーションのない、質問と応答だけのドキュメンタリーと言った方が正しい。

　excitingかといえば、100%、ＮＯ。
　７人の妻たちが料理する姿をザッピング的に映していくのだが、すべて水平アングル、すべてニーショット。アングル変更はなし、パンもズームもない。退屈極まりないカット、退屈極まりない映像。映像美なんて言葉は、この映画にはない。

　映像的努力をすべて捨てているのは、意図的なものだ。アングル変更を行えば、映像に注意が惹きつけられる。監督の狙いは、映像ではない。それぞれ世代の違う妻が語ること。その夫が語ること。その言葉を直接ぶつけることで、視聴者に訴えかけ、心の化学反応を起こそうとしているのだ。

　監督は、男女の上下関係が大きくシフトするイラン社会に一石投じたかったのかもしれない。だが、それは意図してか意図せずしてか、違う社会の日本人にも波紋を投げかけることに成功している。

　実は、圧倒的に男性が優位のイラン社会。かつては決まった時間に料理が出てこないと、夫は妻をぶったり皿を投げ飛ばしたりしていたという。しかし、映像を見る限り、そのような世代でも夫婦関係がうまくいっているところは、妻の仕事（料理）をレスペクトしている。

　監督の父親は、息子から「あなたの仕事と母の仕事と、どちらがきついか？」と聞かれて「妻だ」と答えていた。「なぜなら、妻の仕事は常に（他人から味を）評価されるから」。彼は、食事後に自分でクロスも片づけていた。

　一方、主人公や主人公の妹の夫は、妻の仕事をあまり評価していなかった。妹の夫は、自分の妻が料理に何時間掛かったかと聞かれて１時間と答えていた。実際は５時間ほど掛かってしまった。それに対しても、熟練すればもっと短くできるはずと冷たかった。そして妹夫婦と監督夫婦は離婚した。

　日本の社会でも、夫婦関係がうまくいっているところは、夫が妻の家事をレスペクトしているところではないかという印象を懐いた。そういう意味では、『イラン式料理本』は、非常にinterestingな映画だった。

　ちなみに『イラン式料理本』では、アングルは少し遠めの水平アングルに固定されているため、ほとんど料理自体は映像に出てこない。監督の義母が時折親切に鍋を傾けてくれるので見えるくらいで、あとはほとんど鍋の中。できあがる料理を見せるのが、この映画の目的ではないのだ。

　台所という妻の城、妻の仕事場で、世代の違う妻の言葉を見せる、聞かせる。そして、その夫たちの言葉を聞かせる。そのことによって、視聴者の中に反響を起こす。夫婦関係について、男女関係について、考えさせる。それが、恐らく監督の狙いなのだ。

　『イラン式料理本』は、今月から東京以外に全国各地でも上映される予定だ。
⇒『イラン式料理本』上映予定

　仕事は早いが、サインは遅い。
　鏡裕之です。

『揉ませてよオレの正義』のサイン本が販売されます。
　本日10月3日より販売されるきは、以下の店舗です。

・書泉ブックマート
・K-BOOKS秋葉原新館
・メロンブックス秋葉原店

　次の店舗では、明日以降になります。

・メロンブックス
・書泉ブックタワー
・信長書店日本橋店
　
　著者の故郷である滋賀県での、サイン本販売はないようです。
　メロンブックスおよび信長書店日本橋店については、入荷を確認していただけると、作者としては助かります！