「、」「。」、「……」「――」「・」などの記号のことを、「約物」と呼ぶ。読みは、やくもの。やくぶつではない。それでは危ないものになってしまう。
　『句読点活用辞典』では、約物という専門的な言い方はやめて、「句読点」という、わかりやすい括り方をしている。『句読点活用辞典』は、句読点などの文章記号をすべて集めて解説した、約物の百科事典である。
　構成は、２部構造になっている。
　前半部は解説、後半部は事例となっている。
　後半の事例については、なくてはならないが、あったからといって積極的な有用性を発揮するというものではないけれども、前半の解説は文章に悩む者にとって、また、文章を教える者にとっても、非常にありがたい。
　たとえば、二点リーダーと三点リーダーというのがある。
　二点リーダーとは、「‥」のこと。
　三点リーダーとは「…」のことである。
　よく、「えっ……」なんてふうに使うので、三点リーダーの名前を知らなくても、見たことがある人は多いだろう。鏡も、三点リーダーについては、小説でも普段の文章でもよく使うので、三点リーダーは２マス分使うことやその意味合いについても知っている。
　しかし、二点リーダーについては、今まで見たこともないので、どんな使い方をするのか鏡も知らないのだ。
　だが、『句読点活用辞典』を読むと、具体的にどんな使い方をするのかがわかる。解説には簡単な用例もついているので、「なるほど、こんなふうに使うのか！」と得心するのだ。
　文章のプロを志す高校生や大学生には、この値段はいささか懐に痛いかもしれないが、プロを目指す者がケチってはいけない。『句読点活用辞典』一冊を読めば、美少女ゲーム業界のように三点リーダー（…）の代わりに中黒（・）を使って沈黙を表すなんて、無謀なテロリストみたいなことはしないし、そのことに対して無知な正当化をすることもなくなるはずだ。どこかの業界の低レベルなライターの真似をする必要は、ないのである。
句読点活用辞典第3版

モトカリ屋

　鏡の中で最高の眼鏡美少女といえば、『スウィングガールズ』の中の本仮屋ユイカである。『スウィングガールズ』で彼女が登場する場面だけは、編集されて我がＨＤＤに眠っているくらいである。ああいう眼鏡の女の子に、鏡は弱いのだ。
　その彼女のファースト写真集がついに出た。
　メイキングＤＶＤも付いているようだが、鏡にとっては眼鏡である。とにかく眼鏡っ娘姿があれば、それでいい。ＶＩＶＡ眼鏡。彼女だけは、巨乳ではなくてもウェルカムカモ～ン。だから、『スウィングガールズ』で見せたあの眼鏡姿を是非もう一度……。
スウィングガールズ　スペシャル・エディション

BOMEコレクション 第19弾 鬼畜王ランス 山本五十六 PVC製 塗装済み完成品フィギュア （海洋堂）...
　
海洋堂　MON-SIEUR BOME COLLECTION　.19　鬼畜王ランス　山本五十六　
　元ネタは、アリスソフトの18禁ゲーム。
　それだけに胸の谷間も18禁……ということはないが、このあからさまなチラリズム、男性専用の谷間解禁は、まさに18禁である。

　http://www.hobbystock.jp/item/gallery/HBY-GCF-00000758

　ガレージキットの頃から、「ええのう、欲しいのう」と思っていたが、まさかＰＶＣで出てくるとは！　これを買い逃すことがあろうか、いや、ない。反語。反語まで飛び出しそうな、反発力と誘惑力のある谷間であることよ。
　原型師も違うしお値段もぐっと目玉が飛び出るほど高くなるが、こんなのもある。
【初版】鬼畜王ランス【x-brand】1/6「山本五十六」完成品【ボークス】

ナースウィッチ小麦ちゃん 国分寺こより 裸メイドエプロンver. 完成品（予約）
　
グリフォン マジカルて 国分寺こより/裸メイドエプロンVer.【1月予約】
　恋愛行動とは、お目当ての異性との物理的＆精神的距離を０まで詰めることである。けれども、それには勇気がいる。こと、思春期の頃やそういう経験のない子には、断られたらどうしようという不安がつきものだ。
　そういう男の子のために、元々女の子が主人公のまわりにいっぱいいて物理的距離が縮められているフィクションが存在する。たとえば、たまたま女の子だけのアパートに住むことになったとか、女の子ばかりの遠縁の親戚の家に住むことになったとか。主人公ではなく、ヒロインの方が、環境的な要因や他の要因などで、主人公とのデフォルトの物理的距離を縮めてくれるのだ。
　これを上下関係と社会関係に応用すると、ご主人様とメイドが誕生する。19世紀に存在したメイドではなく、現代の日本のフィクションで描かれるメイドのほとんどは、制度化された「主人公との距離を縮めてくれる異性」である。
　だが、メイドの精神はご奉仕にあり。そこに性的な意味合いを付加すればどうなるか、というのが、この国分寺こよりである。

　http://www.hobbystock.jp/item/gallery/HBY-GCF-00000753

　ご主人様のために発育を遂げたようなこの豊かなふくらみ。手を滑り込ませてと誘うかのようにきわどいコスチューム。自由になさってと、身体ごと表現しているかのようだ。そして、メイドがもてはやされるのは、男がオスとして疲れてきているひとつの証拠なのだ。

　先月20日にダウンロード販売の始まった、『高飛車の巨乳』。
　先日、DLsite.comで累計500本を突破しました。ありがと～～～っ！

涼宮ハルヒの憂鬱 朝比奈みくる ウエイトレス アトリエ彩 通常 Ver.完成品(予約)
　
アトリエ彩 涼宮ハルヒの憂鬱 朝比奈みくる ウェイトレスVer.(通常版ピンク)【2月予約】
　まずまずの乳かな。
　駆けているのは、きっと師走が近いからに違いない。涼宮ハルヒの憂鬱 朝比奈みくる ウエイトレスVer. アトリエ彩 宮沢模型限定（予約）
　
アトリエ彩 涼宮ハルヒの憂鬱 朝比奈みくる ウェイトレスVer.宮沢模型限定版 (ブラック)【2月予...
　色が２色あるのは、きっと紅白歌合戦仕様だ！
　http://www.hobbystock.jp/item/gallery/HBY-GCF-00000737
　http://www.hobbystock.jp/item/gallery/HBY-GCF-00000740
　ところでご存じのように、銃器はフロイト的には男性器のシンボルである。だからといって、彼女が２本の銃を持っているからといって、変な妄想をしてはいけないが、銃を持つヒロインが時としてエロスを振りまくのは、そういうことなのだ。

【新品】Xbox360X36 デッドオアアライブエクストリーム2(メーカー特典付き)(送/代無料）

　既に発売されて日本各地で乳が揺れまくっている今日この頃。ビーチとくれば、DOAX2。DOAX2とくれば、トランプである。
　DOAX2には予約の形式によってはトランプがついてくるが、それとはまた違うトランプセットが新たに発売されるらしい。
常夏のハッピートランプ！　Hitomi Set
　
常夏のハッピートランプ！　Ayane Set

　両方手に入れるのだ！　という奇特な方はこちらで。
DOAX2 常夏のハッピートランプ！　Hyper pack！

　ちなみに鏡は、「選択の余地なし！」と問答無用にハイパーパックを注文した。勇気のなせる技ではない。ただの煩悩である。

みるみる理解できる量子論

　鏡は理系人間ではない。
　第一志望の大学は、数学が原因で不合格を重ねたぐらいである。高校時代の得意科目は、英語、社会。浪人してからは国語も加わった。典型的な文系人間である。論理的に説明することはできるけれど、論理的に考えることができない人間なのだ。
　量子論と相対性理論は、現代物理学の二大理論である。この２つを語らずして現代物理学を語ることはできない。この２つの理論が、ニュートン以来の古典論の考え方を覆してしまったのだ。
　本書『みるみる理解できる量子論』に出会う前に、量子論の入門書を読んだことがある。数式は使いませんと標榜しながら、読み進めていくとやっぱり説明の要で数式が出てくる。まるくて「悪いことはしないよ」と言って女を押し倒す男のようだ。理系人間としては数式で説明したくなるのだろうが、それでは素人はわからない。数式アレルギーという人が世の中にはたくさんいるからだ。だから、説明の要所要所で数式が出てくるたびに、おまえもかブルータス！　と叫びたくなる。
　『みるみる理解できる量子論』は、その意味で例外的存在である。
　説明の要に数式は使われていない。文章とイメージだけで量子論の考え方を理解できるようにしてある。なんと、わざわざ読者からモニターを集って、この記述の仕方で理解できるか、どこが理解しづらいかを調査したようなのだ。「はじめに」と題した部分に、こんな一文がある。

《難解といわれる量子論を数式なしで徹底的にわかりやすく解説するため、読者から募った「編集特別モニター」の方々に記事制作に協力していただきました》

　まさに科学的入門書の鑑だ。
　八王子へ向かう京王線の中で、一気に読み終えてしまった。久々に科学少年に戻ったような気分だった。これが科学の力、科学の魅力だと思った。元カノにも電話で話してみたら、凄く興味をそそられていた。
　最も理系的センスが必要となる時代に理系離れが叫ばれる今こそ、各学校に最低１冊は欲しい本である。わかるということがこんなに気持ちのいいことだということを、『みるみる理解できる量子論』は教えてくれる。本当に凄い入門書が出たものだ。

　昨日、２冊ほど読んだ美少女コミック。
　勿論、鏡が読むからには乳がでかくないわけがない。乳がでかくない時点で鏡の選択から外れるのだ。
　というわけで、１冊目。
ひめごとっ！

　以前、『ああっ女神さまっ』の同人誌がよかった黒龍眼氏の商業作品。本書『ひめごとっ！』で２冊目だとか。実にめでたい。
　基本的に、年上の女性が年下の少年を手で乳でイカせるショタものと、年上の女性が年下のフタマタ少女をイカせるフタマタものが中心的。安定した乳吸いと安定したパイズリが、チラリズムのように毎回姿を見せる。カット的変化の平坦さは、流れを重視したためであろう。個人的には、リビドー暴走構成無茶壊しの超絶長まわしを期待したいところ。それは無茶な願いか？　はい。
　というわけで２冊目。
はつカノ

　特に生徒会長のお話がよかったね。ひたすら男子生徒の欲望を受け止めて、胸を揉まれ、胸で挟み、手でしごき、ペニスをぶち込まれてます。陵辱されながら男子生徒をイカせる生徒会長。これぞ生徒会長の鑑だ。
　実は、『ブラバスターＡ』の第１巻にも、生徒会長が登場するのだよ。是非とも参考にしよう……って、もう遅いわ～っ!!

　ブラバスターファンの方、お待たせしました！
　新シリーズ『ブラバスターＡ』の第１巻が来月発売されます。
　早いところでは、12月18日から店頭に並ぶでしょう。地方によっては若干入荷が遅くなります。
　都内で19日頃、関東＆関西主要都市に20日頃。東北＆九州に21日頃。北海道には22日頃入荷ではないかな、と推測中。
　オッパイ星人とファンの方へのクリスマスプレゼントになりそうです。これで地方の人は、コミケついでに秋葉原で狩猟できるぜ、うっへっへっ。これもこれも編集さんと兼処さんのおかげだよ、ありがとう～っ！
　今回は、シリーズ最大のエッチシーン含有率です。ブラバスターの１～６巻を書いて、やりたいことの第一段階は終了したので、第二段階。今回はぱ～っとエッチ三昧です。すんげえ長いエッチシーンを書いてしまったよ。リビドーが伝われば最高ね。
　なお、げっちゅ屋で予約を受け付けています。げっちゅ屋さん、ありがと～！

　http://www.getchu.com/soft.phtml?id=331487

危険な同居人

　『危険な同居人』は、フランス書院からデビューしたばかりの新人作家・秋月耕太氏の乳フェチ小説である。
　肉体は中学生、精神は小学生、欲望は高校生という基本的構造は変わらない。それがこの世界の基本的コードである。それは、踏まねばならぬ王道的約束なのだ。
　キャラクターの配置やプレイや台詞の対構造に対して『ＭＩＬＫ・ジャンキー』的な匂いや相似性を感じることも、ＭＪ２の友香とママ化したＭＪ１の美月とを組み合わせて換骨奪胎したものだなと直感することもできるけれど、それで『危険な同居人』の価値がいささか影響を受けるわけではない。
　甘ったるい台詞に象徴される、背徳性に背を向けたあまあまな世界は、ひとつの平面を切り開いている。秋月耕太氏という乳的エロスの世界、ひとつの快感の平面を生み出している。巨乳小説という新しいジャンルの中で、『危険な同居人』は、明らかにひとつの差異化に成功している。
　これは書き手としても、また一人のオッパイ星人としても、素直にうれしいことだ。

M女専科

　ずっと楽しみにしていた十六夜清心氏の初単行本。
　この人は、ほんと線が柔らかくてエロイね。女の子の曲線のありとあらゆる部分に発情的な色艶がある。眺めているだけで、二次元の女の子を無性に嬲りたいと思わせる魔力がある。見る者の心の奥底からサディスティックな欲望を奮い起こす力があるね。

　ブラウスとシャツ（ワイシャツ）の差は、それほどあるわけではないらしい。
　ある解説書は、スポーティなものがシャツ、そうでないものがブラウスだという。別の解説書は、男性的なものがシャツ、女性的な感じのするものがブラウスだという。
　たが、ブラウスであるにせよシャツであるにせよ、裸か裸相当の身体にワイシャツを着た女の子をこよなく愛する文化は存在する。風俗のコスチュームの中にも、ワイシャツというアイテムが揃えられているのを見ると、それがよくわかる。
トイズワークス となグラ！ 有坂初音(通常版 ホワイト)【2月予約】
　
トイズワークス となグラ！ 有坂初音(限定版 ピンク)【2月予約】
　というわけで、ワイシャツの有坂初音である。

　http://www.amiami.com/shop/ProductInfo/product_id/65353
　http://www.amiami.com/shop/ProductInfo/product_id/65354

　ホワイトとピンクがあるが、ホワイトに軍配が挙がるのは当然。これぞワイシャツである。ピンクは、個人的には邪道だ。
　ポイントは、ワイシャツの打合せの間から見えるショーツ。スカートと膝の間が絶対領域だとすれば、ここはさしずめ相対領域である。
　裸や下着の上から男性のワイシャツだけを羽織った姿に魂を破壊されてしまうのは、それが無防備な姿だから、親しい男性にだけ見せる姿だからだろう。女性が警戒心を解き、好意を示している姿に他ならないからである。その象徴だからこそ、この裸ワイシャツ姿は幾人もの男性の心を捉え、胸ときめかせるのだ。

クリエーターズ・ラボ ＃005 Mine bluE 完成品フィギュア やまと版（予約）
　
やまと クリエーターズ・ラボ #005 Mine bluE#010 白い原付で海に向う、青い水着の女の子 【11...
　ガレージキットの時からいいなあと思っていたスクーターに乗る巨乳ビキニの女の子が、フィギュア化されるらしい。

http://www.amiami.com/shop/ProductInfo/product_id/61192

　なんというけしからんニュースであろうか。
　この明るい無邪気な表情。健康的な笑顔と、健康的なバスト。カップサイズにしてＧカップはあると見た！
　いいね。
　ここ最近色々と乳フィギュアを紹介しているけれども、8月以降この３カ月の間に紹介する中では、一番かもしれない。顔と乳の素晴らしさでは、一騎当千 孫策伯符 水着2 完成品フィギュア クルシマ製作所 通常版（予約）にも負けないね。むしろ、一歩抜け出しているかもしれない。非常にずきゅ～んと来る愛らしさとずきゅ～んと来る乳房の重さ。鏡が二人乗りしていたら、間違いなく手はビキニの上から巨乳をつかんどりますな。これこそ、二人乗りのホームポジション。ああ、煩悩の位置。
　

ユージン SRDX KOF MAXIMUM IMPACT2 B・ジェニー(1P海賊Ver.)【1月予約】
　
SRDX KOF MAXIMUM IMPACT 2 B・ジェニー(1P海賊Ver.) 完成品フィギュア（予約）
　乳揺れのエロさは『DOAX』シリーズに譲り渡して優等生になってしまった『DOA』。その『DOA』が乳揺ればりばりだった頃を彷彿とさせる揺れのダイナミックさで鏡の乳魂をつかんでしまった乳揺れ格闘ゲーム『KOF maximujm impact2』。
　その中でもお気に入りのヒロインは、勿論、元祖乳揺れヒロイン・不知火舞である。そしてもう一人が、Ｂ.ジェニーなのだ。
　そのジェニーの海賊バージョンのフィギュアが出るらしい。
　海賊バージョンといっても、いわゆる日本製のものをこっそり大陸に仕入れて、中国奥地のどこかの工房で型取りをして廉価な粗悪品として出す、はた迷惑な海賊版のことではない。
　Ｂ.ジェニーには、いろんな衣装バージョンがある。その中に、海賊の姿をしたコスチュームがあるのだ。なので、海賊衣装バージョンという意味である。
　http://www.amiami.com/shop/ProductInfo/product_id/65171
　拡大図がないので、顔の造型がいま一つわからなくてそこが様子見だけれど、乳の関する限りはまあまあいけそうかな、期待できるかな、というところ。勿論、拡大図が見られれば、いきなり評価が反転する可能性もあるけれど、元が乳キャラだけに、うまく造型がなされていれば期待できる。購入していい乳だった時には、ジェニーの真似をして奇妙な奇声でもあげてみるのも手かもしれない。

※追記
　ＨＯＢＢＹ　ＳＴＯＣＫが拡大図を公開した。
http://www.hobbystock.jp/item/gallery/HBY-GCF-00000729
　顔は好みにもよるが、及第点はぎりぎりもらえるレベルかもしれない。鏡的にはＯＫなラインだけれども、乳房は少々インプラント（人工乳）気味っぽい。それがいい人にはいいだろうが、鏡のように乳は天然と信じるうるさいオッパイ星人には評点が厳しくなるかもしれない。

　ＳＮＳには哲学系のコミュニティがある。
　その中で、哲学をやっている人同士の議論を眺めていると、「誤配」ということを思い出す。
　「誤配」というのは、東浩紀が『存在論的、郵便的』でデリダの考えとして取り上げていたものだ。
　たとえば、手紙を書くとする。その手紙を投函するとする。
　普通は、手紙は相手の元に届く。手紙を出す時に、「この手紙はもしかして届かないかもしれない……」と不安になりながら、一か八かで投函することはない。
　しかし、言葉はそうではない。言葉を相手に向かって投函する時、言葉は必ず相手の元に届くわけではない。届いたとしても、完全な形で届くわけではない。肝心のところが欠落していたり、肝心のところが伝わらなかったりする。
　言葉に関しては、しょっちゅう配信ミスが起こっているわけだ。これが、「誤配」である。
　さて、今、言葉を「哲学についての考え」に置き換えてみると、どうなるか。
　手紙には、哲学的ジャーゴンや、哲学に対する個人の理解が書き込まれている。自分はこう思う。レヴィナスの言う「無限性」に対してこう思う。デカルトの「コギト」に対してこう思う。そういう考えが書き込まれている。そして、受信者に向かって投函される。
　けれども、手紙は届かない。どれひとつとしてまともな形では届かない。しかし、そもそも、ほとんどの手紙自体が、本気で届けてもらおうとは考えられていないように思える。
　ある哲学的概念に対して、自分はこんなふうに捉えていると書き込んであっても、それは本当にその人の文脈で捉えているだけで、普遍性も一般性もない。あまりに独自すぎて、いたるところに誤配の罠が仕掛けてある。おまけに、そもそも、多くの人がそれを読んで考えを共有できるように仕掛けられていない。
　そういう書き込みを眺めていると、この人たちはコミュニケーションをしたいのだろうか。相手に言葉を伝えたいのだろうか。自分が考えていることを本当に伝えたいと思っているのだろうか、という気になる。いかに届けるかではなく、自分の中でいかにうまく表現できるか、美しく気持ちよくアウトプットできるかということに比重が置かれていて、いかに完全に近い形で届くかということは置き去りにされている感じがするのだ。
　どんなに手紙が不完全な形であれ、相手が受け取りましたというサインをしてくれればそれでいいという感じがする。それは、ほとんど自分が主役で相手は観衆という、劇場化に近い。大切なのは自分が何か声を発すること、その時に観客がいることであって、観客に自分の声が伝わり、理解されることではないように思える。
　その結果、さらに誤配は進む。誤配と誤配が掛け合わされ、不完全な形で伝達された部分に誰かが噛みつき、また噛みついた言葉の不完全な伝達部分に噛みつき返して、すぐさま口論になる。誹謗中傷的な言い合いになる。コミュニケーションしたいという意志はまるで見えない。
　哲学という最も文化的？　な営みをしているように見えながら、すぐさま中傷的な口喧嘩に堕すというのは、なんとも皮肉なことではないか。

ちちのえ＋(ぷらす) 完成品フィギュア オーキッドシード版（予約）

　かつて、反語の王と呼ばれたキザーロフはこう言った。
「このような乳を前にして通りすぎることができようか。いや、できない。反語」。
　ちちのえ＋(ぷらす) 完成品フィギュア オーキッドシード版を前にした鏡も、同じ気分である。同志よと叫びたい。
　元ネタは、爆乳絵師いのうえたくや氏。鏡もこよなく愛する乳絵師の一人である。敢えて巨乳絵師とは呼ばない。彼が描くその麗しき豊満な曲線は、巨乳を飛び越えている。まさに爆乳である。だから彼は巨乳絵師ではなく、爆乳絵師なのだ。
　いのうえたくや氏は、２冊、バージョン違いのようなイラスト集を発表している。
　１冊目が、ちちのえ。

　２冊目が、ちちのえ＋。

　勿論、鏡は両方持っている。
　で、ちちのえ＋(ぷらす) 完成品フィギュア オーキッドシード版は、２冊目の表紙の女の子を原型化したものなのだ。

　http://www.amiami.com/shop/ProductInfo/product_id/65082
　http://www.hobbystock.jp/item/gallery/HBY-GCF-00000727
　
　これぞほんとの乳女神、爆乳女神なり。
　原型師は、石山智。
　見覚えのある名前だなと思ったら、今年最高の乳ヒロイン、天羽雅音を原型化したウィッチブレイド　雅音　1/6PVC塗装済み完成品　オーキッドシードの原型師ではないか。
　これは、期待できる。
　いのうえたくや氏の描くヒロインは以前別のところで原型化された記憶があるが、その時はわが乳魂に触れなかった。
　しかし、ちちのえ＋(ぷらす) 完成品フィギュア オーキッドシード版はどうだ。
　何気なくあみあみのサイトを見て、凍結してしまったよ。あまりに衝撃が強い時には、乳魂はふるえるのではなく、凍りついてしまうのだ。朝から『保健医の巨乳』のシナリオを書かねばならんのに、仕事を放置して、こんな記事を書いてしまっているよ。
　実は、いのうえたくや氏は、爆乳だけではなく太腿もかなりムッチリとしていやらしいのだが、その太腿のムッチリ感がかなりよく出ているように見える。これはもう、是非是非、生乳版も作っていただきたいものだ。

TANDEM TWIN 動物ねーちゃん 豹 シュエル 完成品フィギュア やまと版（予約）
　
やまと 動物ねーちゃん 豹 シュエル【2月予約】
　自分の部屋にジャングルがやってくる！
　ぼくらのはみ乳原型師、山崎こーいち氏の動物ねーちゃん豹。今度はまさにジャングルな豹スタイル、密林型で登場だ。

　http://www.hobbystock.jp/item/gallery/HBY-GCF-00000718

　白く透き通る乳肌もよいが、健康的な褐色の乳肌もなかなかではないか。後ろから見ると、これがなかなかいいレッグラインと小振りなケツをしているのだ。
　乳にしても、恐らくこれでＦカップは確実。いわゆる爆乳ではなく巨乳がいいという人には、好ましいサイズになっている。こういう明るい配色のフィギュアが１体あると、部屋の中も明るくなるかもしれない。
　これは密林の花なのだ。花瓶に飾る趣味がない人には、是非、この密林の乳花を。

官能小説用語表現辞典
　
官能小説用語表現辞典
　始めに言っておこう。
　官能小説用語表現辞典一冊があれば、ポルノ小説が書けるわけではない。
　ポルノ小説を読むと、官能表現の百貨店という印象を持つかもしれないけれど、ポルノ小説そのものはエッチな表現集でもエッチな語彙集でもない。エロい言葉や表現を集めればそれだけで自動的にポルノが成立するわけではないのだ。発情という装置は、単純だが簡単ではないのである。
　だから、官能小説用語表現辞典の帯にあるように「これ一冊であなたも官能小説家になれる」わけではない。そして、そのことは何よりも著者自身が気づいている。

《用語に多様性があれば、かならずしもいい作品が書けるというわけではありませんが、せめて、常に用語の吸収に敏感であることは、言語感覚を磨いていくうえで重要なことです。そんな一助にもなればというのが、この辞典をまとめた目的でもあります》

　用語の多様性というのは、ある性的部位に対していくつも表現を持っていることである。ペニスを十種類の表現で書いたからといって、そのポルノ小説が格別抜けるものに仕上がるわけではない。ポルノ小説は、表現の博覧会や展覧会に単純に還元できるものではないからである。
　しかし、それはひとつの力、ひとつの知的資産なのだ。少なくとも、新しい官能表現を身に着けようと前進する姿は、ポルノ小説のひとつの重要な要素なのだ。己の官能表現に対してバージョンアップがないところからは、至極のポルノは生まれないのである。
　官能小説用語表現辞典は、ポルノ小説に必要な言語感覚を磨くためのコレクションだ。そして、何よりもポルノ小説への深い理解と温かい眼差しの痕跡である。収録された2300の官能表現は、著者だからこそできた愛情の所産なのだ。
　著者は、あとがきでこう述べている。

《文学系の小説誌のある編集者が、官能小説の作家は安易だ、と私に言ったことがあります。まったくの誤解であることを指摘して、私は反論しました。彼はそれほど官能小説を読んでいるのではなく、また、好きでもないのです》
《私はその編集者に、読者をナメてはいけません、と言いました。読者がお金を払って本を買うには、それなりにきびしい注文があって、代金に見合った要求があるのは当然です。作家が安易に書いていては、とてもその要求に応じることはできないはずです。まさに骨身を削るようにして、精一杯の能力とエネルギーを作品に注入していると思います。それは、ほかのジャンルの作家や作品と違いはありません。そうした彫心鏤骨の努力の歳月から生まれたのが、官能小説の表現であり、言語感覚なのです》

　
　名演説だと思う。
　官能小説家にとっては、涙が出てくるような文章だ。このあとがきだけでも、本書には充分の価値がある。
　だが、勿論、官能小説用語表現辞典の価値はあとがきだけではない。2300の表現に対して、え～っ？　と思ったり、なるほどと感心したりしながら頁をめくっているうちに思わず官能表現の海を楽しんでいるに違いない。用例の豊富さが、興味のない者をも楽しませてくれるのだ。ポルノ小説に対して最も愛情深い理解を示している著者ならではの言語表現コレクションに、是非酔い痴れていただきたい。
　ちなみに鏡は２冊とも持っている。文庫版の方には、迫力表現の代わりに絶頂表現が追加収録されている。

エヴァ 1/6 葛城ミサト 風呂上がり 未塗装組立フィギュア アミエ・グラン版(取り寄せ)
　
【2006年11月下旬入荷予定】新世紀エヴァンゲリオン 1/6 葛城ミサト 風呂上がり (再販)【アミエ...
　エヴァンゲリオンというと、少々聞き飽きた感もある。それに葛城ミサトと来ればなおさら「はいはいはい」と聞き流したくなるところだが、このガレージキットには、人を立ち止まらせるところがある。
　制服でも私服でもない、風呂上がりの一瞬。
　バスタオルに身をまとい、振り返ったその一瞬を捉えた、瞬間的な、自然なエロティシズムがそこにはある。胸のある子だけがそのバストに描くことのできる、右乳から左乳へと走るエッチな皺が、実に見事に、自然な感じで表現されているのだ。バストに押しあげられるバスタオルの量感もいい。
　ガレージキットなので、箱を開けても完成品でお出迎えしてくれることはない。自分で組み立て、自分で塗装しなければならないが、隙ある時の彼女らしい、秀作だと思う。

　たとえば、ＳＮＳのプロフィールなどで、自分がヘンとか変わっているとかヘンタイとか自ら書き記している人のほとんどは、微小な差異とバージョン違いの範囲──普通という同一に近い類似性、大同小異──に集束される。
　つまり、あんまり変わっていないということだ。個性的ではあるが、ヘンと言うほど思い切り変人というわけでもないし、存在が際立っているわけではない。端的に言えば、普通ということである。本人の常識の範囲や行動半径を調べてみると、驚くほど常識人のゾーンに収まってしまっていることが多い。にもかかわらず、なぜ、自分をヘンと自称するのか。
　端的に言えば、それは逃避なのだ。自称する本人自身、自分がヘンではないことはわかっている。うすうす勘づいてはいる。けれども、認めたくない。自分は特別でいたいから。特別でいたいと強く思うようになってしまったから。
　ヘンではないと認めてしまえば、自分は特別ではない、平凡だということになってしまう。それがいやだから、自らヘンだ（特別だ）と自称するのだ。
　だから、自分はヘンなのですと自称するのは、大衆的な同一的還元性──自分が他人と置換可能なネジであること──から抜け出すための悲しいアイデンティティ的戦術なのである。
　そして皮肉なことに、本当に特別さを持っている人は――たとえば住んでいるところが島で、学校にはいつも船で行くしかなく、他の人とはあまりに違う環境だったという人は――逆に、「普通さ」を求めるものなのだ。

セキレイ（1）
　　
　ヤングガンガンで連載されている『セキレイ』。
　鏡も注目する乳漫画（笑）。
　その『セキレイ』のキャラクターたちがフィギュア化された。特に注目なのが、これ。
セキレイ 1/7 MUSUBI（結） 完成品フィギュア ムービック版（予約）
　
ムービックセキレイ 結(MUSUBI)

　見よ、この露骨な乳のラインを。
　http://www.amiami.com/shop/ProductInfo/product_id/64883
　これが乳だ、パリの灯だ。不時着するなら、胸の谷間。ペニスの機首を突っ込みたいぞ。
　と、まさに煽情的な乳。
　実にけしからん乳、ナイスな乳だ。
　フィギュアの世界も乳的には百花繚乱状態になりつつあるが――その中には真面目な意味で造型が芳しくなくけしからん乳もあるが――これはいい意味でけしからん乳、発情させる乳である。
　実際にはこんなふうに服が乳房の形状に沿って張りつきっこないのだが、それがイメージの世界というものだ。
　現実を模倣すれば、乳の大きさが出るかというと、そういうわけではない。いくら３Ｄ化されているとはいえ、現実の女性の爆乳ボディをそのままトレースしてそのまま立体化したところで、乳の大きさが如実に現れるわけではない。
　「現実」を伝えても「現実感（実感）」は伝わらない。うわっ、胸、おっきいという実感を伝えるためには、デフォルメという作業がなければならないのだ。そしてこのフィギュアにおいては、この胸のデフォルメが実にけしからんのである。
　現実にこんな女性が目の前にいたら、鏡は間違いなく揉むね。そりゃもう日本女子バレーもびっくりするくらい――木村沙織も唖然とするくらいの速攻で揉むね。その瞬間は世界ランキング１位よ、ひゅほほ。

オーガニック 1/8 OS-IDOL WINちゃん

　乳とは何か。
　まろみである。
　ロボットの直線とは違う、まろやかな曲線。豊満さと柔らかさをすべて凝縮した、母性的なまろみ。それが乳である。人が胸に顔をうずめたくなるのも、そのまろみがあるからなのだ。硬い男の胸板とは違う、柔らかな、まろみのある女性の乳房。そこで一息つきたいからこそ、和みたいからこそ、男は豊かな胸に憧れ、豊かな胸に顔をうずめたいと願うのだろう。社会の戦士には急速が必要なのだ。
http://www.hobbystock.jp/item/gallery/HBY-GCF-00000706
　Winちゃんのフィギュアは他にも出ている。
　しかし、このフィギュアほど、ほっと一息つけるものはない。まさに、和める乳。和んでしまう乳。しかし、和みの底から柔らかく刺激する乳。
　個人的にはキャストオフできれば、さらに和んで発情することができるのだが、果たして……？

【2006年12月下旬発売予定】R.D SELECTIOON Vol.3智代アフター 智代(エプロン姿)【オオツカ企画】
　
R.D SELECTION Vol.3 智代アフター 智代（エプロン姿）【オオツカ企画 / ハピネット】
　なぜ、人は気弱さと健気さの入り交じった表情に弱いのだろうか。記号的とわかっているのに、なぜハートをつかまれてしまうのだろうか。
　従順な気弱さ、ご奉仕する気弱さには、包み込みたいという欲望と同時に、こちらの自由にしたい、陵辱したいという欲望との、２つの衝動を引き起こす魔力がある。
　相手が巨乳でなおかつ透け乳で無防備となれば、なおさらである。これには恐らく、リビドーの構造が関係しているのだろう。
　リビドーとは、そもそも二重性の存在である。
　男性性としてのリビドーと、射精性としてのリビドー。言い換えるなら、攻撃衝動としてのリビドーと、性的衝動としてのリビドー。
　攻撃性としてのリビドーは、男性特有のリビドーである。男性が男性であること、女性に対して男性を見せつけることのひとつが、暴力である。この場合の暴力とは、単純にＤＶのことではない。自分の筋肉を、自分の強さを、誇示することである。そのひとつが戦いであり、狩りであり、そして、一番低俗な形のものが女性に対する直接的暴力である。これが性的に、低次元な形で表出すると、実際的な強姦や陵辱になる。
　ただし、観念的な強姦や観念的な陵辱は、低次元や高次元という分類を行うべきものではない。それはリビドーのひとつの男性性的イマージュである。リビドーの持つ暴力的側面のイメージ的現れである。暴力的側面だからといって、即、否定的なものというわけではないのだ。
　もうひとつのリビドーの側面、性衝動としてのリビドーは、まさにエロス的リビドーである。自分が欲望の対象とするもの、欲望とするものに対して性的衝動を覚える。自分が欲望したものを性的に所有したい、性的に合一したい。実際にそうすることによって自分を拡張しようとするエロス的運動。
　男性のリビドーには、この２つの衝動が重なっている。そして、対象によってはこの２つが同時に表出するのだ。
　そして、それが、従順な気弱さ、ご奉仕する気弱さなのである。男性が保持している男性性より一段と低い従順な姿勢、ご奉仕する姿をはっきりと明示することで、男性の男性的自尊心――すなわち男性性――をくすぐり、男性の方が上なんだぞ、おれは凄いんだぞという気持ちを潜在的に起こさせる。自分のものにできるんだ、自分のものなんだという感覚を起こさせる。そうして日常の中で傷つき奥にこもっている男性性を刺激し、外に引っ張りだすのだ。
　日本神話でアマテラスが岩戸に隠れた時、アメノウズメが半裸になって滑稽な踊りを披露した。周囲が笑い、それにつられてアマテラスが岩戸を開いたが、このフィギュアもまた、アメノウズメとは違う方法だが、半裸に近い透け透けの姿で男性の中の太陽神――すなわち、男性性――を刺激して、岩戸を開けているのだ。彼女は透け透けメイドの姿をした、アメノウズメなのである。
　http://www.hobbystock.jp/item/view/HBY-GCF-00000702
　http://www.amiami.com/shop/?vgForm=ProductInfo&sku=HOB-FIG-4575A
　ちなみにこのフィギュア。
　あみあみでは２日か３日で売り切れてしまった。アマテラスは太陽神であり、元々男神であったとも聞く。現代のアメノウズメは、やはりアマテラスには強力なのである。

　『ブラバスターＡ』の第１巻。
　著者校正が本日終わった。これを書いている30分ほど前に、コンビニで発送手続きを済ませてきた。あとは発売を待つのみ……ウヒヒ。
　恐らく店頭に並ぶのは、来月12月になるんじゃないかな。校正原稿の一番後ろの頁、見たら11月発売ではなかった。12月発売だった。個人的な読みでは中旬になるのでは……という予想。
　というわけで、これ。
WAVE　舞-HiME　1/10　鴇羽舞衣


ウェーブ 舞-HiME トレジャーズフィギュアコレクション 鴇羽舞衣【07年1月予約】
　仕事あけには、乳。
　それも内気な乳よりは、明るい乳の方がいい。
　見よ、この健康的な乳を。
http://www.hobbystock.jp/item/gallery/HBY-GCF-00000696
　健康な笑顔には健康な乳が宿る。健康な乳には健康な笑顔が宿るのか？
　どちらでもよい。
　すべては乳なのだ。
　ケリー議員の失言も、乳が解決する。勉強しないと巨乳を揉めなくなる。健康的じゃないか。
　そういうわけで、この乳は楽しみ。
　盛りあがりの上昇曲線のまろみがなんとも言えませんな～。

夢想の詩学

　夢想の詩学。
　夢のような幻想へ引き寄せると同時に、硬く立ちはだかるような、そんなタイトルだ。詩学という堅い言葉に戦いてしまう人もいるかもしれない。
　しかし、こと、この本にいたってはその手の心配はいらない。
　『夢想の詩学』は学術論文ではない。新書でもない。むしろ長い長い、まとまりのあるエッセイに近い。「夢想のイマージュ」と名付けた方がよさそうな内容だ。
　ほとんど哲学の言葉を使わず、難しい表現も行わずに、バシュラール自身が夢想に対して思うことを４章に分けて詩情豊かに綴ている。散文的な韻文を、いや、韻文的な散文を、つまり、果てしなく詩に近い心地よいエッセイを読んでいるような気分になれる。人を優しく甘い気持ちへと導く夢想のように、叙情的な、イマージュ豊かな心地よい文章が、次から次へと現れては優しく幻惑してくれるのだ。
　『夢想の詩学』は、ちくま学芸文庫というとってもお堅い一群の中に入っているけれども、むしろ一般書と分類してもおかしくない内容だ。要求する知識量も少なく、アニマとアニムスという言葉を知っていれば、高校生でも読める。それだけの甘く優しい味わいを持っている。純粋に文体に心地よく酔うことができる。
　詩心が残っている人にも、夢想に興味がある人にも、是非手に取ってもらいたい一冊だ。

　エロゲー業界とは、どういう業界か？
　訊ねられれば、真っ先に言えるのは、ビジネスができない業界である、ということだ。
　広報もディレクターもプロデューサーも営業も経験してきて感じるのは、まともなビジネス的思考がまったくないということである。
　勿論、できるところもある。しかし、それは奇跡に近い。
　売れなくなって収益が下がれば、あなたは何をするか？　コストを下げて利益確保に走るのが、まっとうな思考。
　だが、この業界は、「ユーザーが望んでいるから」「ユーザーに文句を言われるから」と称してコストを上げるのである。
　それで、セールスは上がったのか？　１本あたりのコストを上げた分だけの利益は出たのか？
　恐らく、出ていまい。
　これだけボリュームインフレーションが起こっているにもかかわらず、市場全体の売り上げが上がったという話は聞かない。むしろ、１本あたりの売り上げがますます下がっているという話しか知らない。
　だが、営業すらも「ボリュームを確保しないと売れない」と口にするのだそうだ。その根拠は？　明確な売り上げか、ユーザーの声か？　明確に売り上げが下がることと、ユーザーがボリューム不足と不満を垂れることとは、違う。まともな営業ならその違いを認識できて当たり前だと思うのだが、そうではないということか。
　ソフト１本の売り上げは下がっている。かといって、薄利多売もしづらい。エンターテインメントは生活必需品ではないのだ。生活必需品なら、思い切り安くすれば一時的にはセールスが上がるかもしれないが、安くしたからといって売れないのがこの業界である。
　ソフト１本の売り上げが下がれば、コストも下げなければ利益はでない。ソフト１本の売り上げが下がっているから、もっとセールスが出るように考えなければならないという思考は不要でもないし無駄でもないが、それではあまりに不確定要素が多すぎる。
　コストを下げる努力をすると同時に、セールスを上げる思考をすることが、恐らく求められているのだ。セールスが下がっちゃうからとますますボリュームを上げてコストを上げるのは、よっぽどの馬鹿かマゾに違いない。

　『ブラバスターＡ（エース）』第１巻の原稿が青心社から到着。
　ついに著者校正開始。
　３日で直してご返送の予定。

eb Craft『戦国ブレード』暴れん坊巫女 こより
　
戦国ブレード 暴れん坊巫女 こより 1/6PVC塗装済み完成品フィギュア 大阪プラスチックモデル限...
　
　2006年1月。
　その見事なＨカップ級の生乳で世間を席巻したあの暴れん坊巫女が帰ってくる……！　と思ったら早合点。
　元になっているイラストは、司淳氏デザインの爆乳巫女こよりである。
　しかし、原型製作が違う。
　発売元のメーカーも違う。
　よく見れば、ポーズも違う。
　顔のつくりも、表情も違う。
　大きさも違う。
　違うけれど、その乳房の魅力、谷間の魔力は健在である。まずはこれを見るがよい。
　http://www.hobbystock.jp/item/gallery/HBY-GCF-00000691
　http://www.rakuten.ne.jp/gold/tjs/koyori.html
　原型は、Cerberus ProjectのFrench Doll氏。
　ヤフオクでもよく見かけたガレージキットである。
　厳しさと荒々しさを前に押し出した表情と、大きく開いた襟元から覗く、豊かなふくらみ。
　エロスとタナトスが、胸の間で深くひしめき合っている。
　ここの造型の肉感性にはかねがねノックアウトされているが、ついに来たか、暴れん坊巫女。勿論、暴れん坊なのは、性格よりも乳房に違いない。
　発売時期は2007年1月。
　メーカーは、ebCraft。
　キャストオフできるかどうかは、不明。　
　1/6というから、かなり大きいのではなかろうか。つまり、それだけ胸の谷間を、豊かなふくらみを、でかく眺められるというわけだ。
　持っている人にも、持っていない人にも、悩める乳が現れたものだ。　

存在論的、郵便的

　1983年、『構造と力』。
　1998年、『存在論的、郵便的』。
　そして、2006年。なぜ今更だが、敢えて今なのだ。

　『構造と力』を引っさげて浅田彰が思想界のスターとなってから15年後。新たなスターに思想界は沸いた。
　東浩紀である。
　『存在論的、郵便的』は、著者が東京大学在学時、わずか23歳から26歳の間に処女作として書かれたものである。翌年、『存在論的、郵便的』は、サントリー学芸賞を受賞した。
　この300頁あまりの書物は、難解で知られるジャック・デリダを扱っている。
　ジャック・デリダ。
　フランスの哲学者である。
　デリダって誰だ？　とオジサンギャグをかましたくなる名前だが、デリダは、現代思想を語る上で欠かせない、思想界のトップスターだ。
　哲学思想の世界には、有名なキータームがある。そのキータームと人物とは結びついている。
　イデアといえば、プラトン。
　形相と質料といえば、アリストテレス。
　コギトといえば、デカルト。
　力への意志といえば、ニーチェ。
　存在論的差異といえば、ハイデガー。
　そして、脱構築（deconstruction）といえば、ジャック・デリダである。
　60年代までのデリダは、難解だが非常に論理的で学術的なテクストを書き記していた。ところが70年代に入ると、奇妙なテキストを捻り出すようになる。

《例えばすべての頁が左右二つの欄に区切られ、左でヘーゲルが、右でジュネが同時に扱われる三〇〇頁近い『弔鐘』、あるいは、ほぼ半分が断片的な疑似書簡で占められ、残りに収められたフロイト論もまた未完成なものに止まる五五〇頁強の『葉書』、そこではもはや、ほとんど読者の支持を期待できない実験的エクリチュールがただだ何百頁も展開されている》
《六〇年代の諸論文が（よかれあしかれ）維持していた明晰さは徹底して避けられ、七〇年代以降のデリダのテクストは別のテクストへの暗黙の参照や引用、論述の意図的中断や迂回によって極度に断片化され重層化される。そのため私たちはそこでは、ひとつの論文のなかにいかなる指示もなしに造語や新概念が登場し、かつその含意については他の論文やあれこれの哲学的テクストを参照しないと知りようもないといった事態に頻繁に出会うことになるだろう。そしてその環境のもとでは、デリダを読むことは暗号解読にかぎりなく近くなる》

　なぜデリダは、そのような奇妙なテクストを書いたのだろうか？
　それが、『存在論的、郵便的』＝東浩紀の問いである。
　ジャック・デリダは、60年代に行っていた理論的な仕事をなぜ放棄して妙ちきりんな作業を展開するようになったのか。理論的な仕事を放棄したということは、何か限界を見抜いたのだろうか？　だとすれば、その限界とは？　その限界を突き破る出口はどんなものだったのか。さらにその出口から脱出して、デリダはどこへ向かっていったのか。
　その答えを探す旅が、『存在論的、郵便的』である。

　議論は、脱構築（ゲーデル的脱構築）の説明から始まる。
　例に挙げられているのは、「何の違いがある？　What's the difference？」という疑問文である。
　これは、純粋な疑問文だろうか？　それとも、修辞疑問文だろうか？
　純粋な疑問文だとすれば、違いについて尋ねていることになる。具体的にどういう違いがあるのか教えてほしいというわけだ。だが、修辞疑問文だとすれば、違いなんてないでしょ、と断言していることになる。
　そして、どちらの解釈をとればいいのかは、この文だけからは永遠に決められない。一種の二律背反（ダブル・バインド）である。
　このダブル・バインドの経験が、ゲーデル的脱構築だ。デリダの言葉で言うと、「不可能なものの経験」ということになる。
　さて、先程の疑問文「何の違いがある？　What's the difference？」をＡ君とＢ君が引用したとしよう。
　二人は、どちらの意味で引用したのだろうか？
　文章は同じである。
　つまり、見た目（形）は同じだ。
　だが、片方は純粋な疑問文として引用しているかもしれない。片方は修辞疑問文として引用しているかもしれない。
　ということは、形は同じでも違うという可能性があるということだ。同じならばまったく同一である、つまり同一性があるということになるが、違う可能性があるということは、同一性が揺らぐということである。
　今は文章の例で示したが、これを日付に対して応用してみよう。
　1989年11月9日。
　ベルリンの壁が崩壊した日である。
　今年も、11月9日がやってくる。しかし、それは、今これを書いている現在では2006年11月9日であって、1989年11月9日ではない。
　「1989年11月9日」という日付は、永遠に来ない。一回限りである。「1989年11月9日」が２度も来ることはありえない。
　しかし、「11月9日」は何度も来る。
　来るけれども、その日が来たからといって、またベルリンの壁が崩壊するわけではない。「ベルリンの壁が崩壊した」という事象は永遠に来ない。「ベルリンの壁が崩壊した」残響、余韻が来るだけである。
　この「ベルリンの壁が崩壊した」という事象を、ある特定の人としてイメージしてみると、こういうことになる。その人が実際にやって来るわけではない。その人の余韻、その人の残響、言ってみれば、その人の幻が来るだけである。この幻を、デリダは「幽霊」という言葉で呼んでいる。
　幽霊は、すべてのエクリチュール（書かれたもの）に出現する。
　何かを書き記すたびに、複数の幽霊が誕生し、同一性が揺るがされる。こちらが伝えたいことが完全に伝われば、同一性が保持されるということになるが、伝えたいことは伝わらない。
　これを郵便の比喩で云うと、郵便物を届けようとしているのに、相手には届かずに終わってしまう、「郵便物が届かない」という事故がしょっちゅう起こっている状態になる。郵便ネットワークのいたるところで行方不明の郵便物が発生している状態だ。

《情報の伝達が必ず何らかの媒介を必要とする以上、すべてのコミュニケーションはつねに、自分が発信した情報が誤ったところに伝えられたり、その一部あるいは全部が届かなかったり、逆に自分が受け取っている情報が実は記された差出人とは別の人から発せられたものだったり、そのような事故の可能性に曝されている》

　デリダは、「その種の事故を最終的に制御可能だと見る思考法」を批判している。知の体系とは決して誤配も事故もない完全な郵便制度（郵便ネットワーク）だ――という見方があるとすれば、そこをまさに、デリダは批判するのである。
　言葉の郵便制度は完全ではない。
　コミュニケーションの郵便制度（郵便ネットワーク）は完全ではない。
　コミュニケーションをとれば、必ず行方不明の郵便物が発生する。あるエクリチュールを記した途端、そのエクリチュールは、Ａという解釈もとれないし、Ｂという解釈にもとれないという、決定不能性に陥ってしまうからだ。
　だが、ＡにもＢにも決定することが「できない」という事実が生まれた瞬間、皮肉にも絶対確実なことがひとつ生まれてしまう。それは、どちらかに決定するということは、絶対できないというひとつの事実だ。
　決定不能というひとつの絶対確実性。
　ゲーデル的脱構築によって、ひとつの決定不能性が生まれる。そして、その決定不能性から、「行方不明の郵便物」＝「不可能なもの」がただひとつ、絶対的に存在しているということが導き出されてしまう。
　これは、ある意味、否定神学的である。
　否定神学というのは、元々キリスト教の用語から生まれた言葉だ。神様を言い表す時、「神の姿を思い描くことはできない」、「神の知性に到達することはできない」、「神の全能を知ることはできない」……のように、「～できない」という否定の言い方で表現する仕方である。これを否定神学的という。
　人は、神には否定神学的にしか近づけない。だが、否定神学的にであれ、神様に近づくことはできる。否定神学的に言い表されることによって、逆に神の輪郭が浮かび上がり、神に対してイメージを共有することができる。つまり、神についての郵便物は、誤配も事故もなく届いてしまうのだ。
　ゲーデル的脱構築によって導かれるひとつの決定不能性、別名、「不可能なもの」もまた、同じである。決定不能性が絶対的に成り立つというそのことによって、システムが補完されてしまう。郵便制度は不完全から完全なものに変貌してしまうのだ。
　こうして成り立つ体系を否定神学システムとすれば、その否定神学システムを存在論から追求したのが、ハイデガーであった。
　論理学の世界では、簡単にいえば、
　ａ＝ｘ
　のような数式を考えた場合、代入項に入れることができるものはすべて思考の対象になると考えられている。だが、代数ではない記号の部分、たとえば「＋」や「＝」は、思考の対象になれない。そして、存在とは、そうした演算記号のようなものだと論理学では考えられている。
　たとえば、ａにゴリラを代入してみよう。
　ゴリラ＝ｘ
　この場合、「ゴリラとは何か？」と尋ねることかできる。けれども、ａに「＝」は代入できない。
　＝＝ｘ
　という等式は成り立たない。つまり、「存在とは何か？」と尋ねることはできない。存在とは、「不可能なもの」である。それが論理学の存在に対する考え方だ。
　だが、ハイデガーは、「存在」＝「不可能なもの」を思考の対象にすることができると考えた。
　ゴリラという存在者の代わりに、存在と存在者が折り重なったものを投入すればよい。つまり、「今存在している人間」（ダーザイン＝現存在）を代入してみればよい。「今存在している人間とは何か？」と尋ねれば、自ずから「存在」＝「不可能なもの」に触れることになる。
　そう考えたハイデガーは、この瞬間、論理学の無矛盾性を打ち破っていた。そして、それはゲーデルの不完全性定理と同じ構造の批判だったのだ。
　ハイデガーの存在論には、ゲーデルの不完全性定理が流れている。つまり、「ゲーデル的脱構築によって導かれる矛盾」＝「不可能なもの」が流れている。そしてゲーデル的脱構築は、否定神学的である。
　デリダが当初考えた脱構築は、ハイデガーの云う解体を強烈に押し進めたものだった。だが、押し進めた結果、否定神学的なものを肯定するという逆説に辿り着いてしまった。ゲーデル的脱構築は、結果として否定神学的脱構築、存在論的脱構築となってしまったのだ。
　その過ちは、行方不明の郵便物を１つと考えてしまったことにある、とデリダは考えた。
　行方不明の郵便物は、１つではない。複数である。１つの郵便物――たとえば４枚の便箋に認められた手紙――が１枚ずつバラバラにされて、３枚目だけが届く場合もある。その場合、残り３枚はバラバラに分割されて複数の状態になったままま、郵便ネットワークの中で行方不明になっている。幽霊は、ゲーデル的脱構築によってだけではなく、郵便ネットワークによっても発生するのだ。郵便ネットワークの欠陥によって、何度も何度も幽霊は生まれて訪れる。
　デリダはそう考えて、ゲーデル的脱構築の否定神学性を、ハイデガー性を、乗り越えようとする。その、手がかりにしたのがフロイトだった。
　夢の世界は、論理性が失われている。より正確には、言語としての統一性、言語としての論理性が失われている。
　普段、意識がある時にコミュニケーションする場合は、言語は言語的統一性や言語的論理性に従ってアウトプットされている。論理学の言葉で云うなら、「ａ＝ｘ」という式がある場合、代入項にはしっかり代数となりうるものだけが代入されている状況である。
　だが、夢の世界はそうではない。
　人が見る夢の世界では、論理学の言葉を使えば、「＋」や「＝」も他の数字と同じように数字だと勘違いされて代入されるという状況が生じる。仮に、演算記号が動詞、代数が名詞として捉えるとすれば、すべての動詞が名詞として書き込まれてしまう世界が、夢の世界である。
　フロイトは更に別の場所で、意識から意識への情報伝達ではなく、無意識から無意識への情報伝達があることを言っている。
　デリダは、それを、ゲーデル的＝否定神学的＝存在論的脱構築を乗り越える切り口にしたのだ。
　フロイトが語る夢の世界のように、明確な言語的統一性は崩れ、無意識（郵便ネットワーク）から無意識（郵便ネットワーク）へのコミュニケーション。すなわち、ある著書から別の著書へのネットワーク的伝達。ある著書で現れた造語の定義が別の著書でなされているという、郵便ネットワーク的コミュニケーション。
　デリダが辿り着いた、ゲーデル的脱構築を乗り越える脱構築を、郵便的脱構築と言うならば、あの奇妙なテクストこそ、まさにその新たな脱構築、郵便的脱構築だった。フロイトが解読してみせた夢の世界の運動を、郵便的＝フロイト的脱構築の運動を、行ったものが、あの奇妙なテキストなのだ。
　これが、著者が考えた「なぜデリダは奇妙なテクストを書いたのか」の答えである。東浩紀が『存在論的、郵便的』で展開している説明は、さらに細かく、奥が深い。メタレヴェルとオブジェクトレヴェル、フレーゲ／ラッセルの記述理論、フォネー、ラカンの現実界、超越論的シニフィアン、クラインの管といったことも触れられている。だが、それを使って説明してしまうと、あまりに多量の活字を消費すると同時にあまりに多数の人を理解から遠ざけてしまう。それゆえ思い切り乱暴な素描にしてある。これもまた、デリダが考えた誤配、分割され、一部が行方不明になった郵便物に違いない。