発育っちゃうぞ

　『発育っちゃうぞ』と書いて、そだっちゃうぞと読むらしい。
　これは万人向けでもないし、一般向けでもない。
　著者は、ロリ系のお話をよくものしている、ほかまみつり氏。決して巨乳コミックの書き手ではない。収録されている短編もすべてが巨乳というのではなく、巨乳フェチなのは最初の３篇のみ。しかも、ヒロインはランドセルを背負っているような年齢である。
　だが、乳房へのフェティシズムや乳房への欲望、女の子の官能的内面は、ポルノとしてよく描けている。３篇以外はすべて貧乳だが、３篇のために購入してもそれほど惜しくはない。
　ヒロインの年齢設定に対して倫理的に反応することは簡単だが、それは表面の煽情性に紛らわされてポルノの本質を見失っている。どんなに描き方が煽情的であれ、18歳未満のヒロインが登場する美少女コミックは、いたずらに読者を性犯罪に駆り立てるためのものでも促すためのものでもない。逆に、禁じられた欲望をイメージの中で発散させるためである。射精させること、オナニーさせることこそがポルノの究極のゴールなのだ。本書『発育っちゃうぞ』も、倫理的なコードではなく、昇華のコードで読み取らなければならない。