恥熱カルテ

　巨乳コミックのベテラン、乳絵師十人衆の一人、ドリルムラタ氏の新刊。
　『恥熱カルテ』というタイトルの通り、今回は病院が舞台。長期入院中の少年が看護婦を籠絡して性の奴隷にする物語である。今回は乳房へのフェティシズムや乳房への愛撫よりも、アナルを犯して性の奴隷に堕落させる方に重点が置かれている。
　だが、これは乳シズムの後退ではない。巨乳コミックとしての敗北でもない。ポルノとしてのひとつの形である。たとえ乳吸いが少なくとも、乳揉みが前作より減っていようとも、豊かな乳房も、乳房の揺れも、パイズリも変わらない。ほとばしるリビドーに違いはない。堕ちてゆく看護婦に、輪姦される看護婦に、勃起せずにいられるだろうか？　たとえ乳房への関わり方や描き方が変わろうとも、ドリルムラタ氏のエロスは少しも落ちてはいないのだ。そのことを、我々は享受すべきだろう。紛れもなく、これもまたひとつのエロスの到達点なのである。