ついに今日、ぼくの新刊『悪魔をむにゅむにゅする理由』が発売されます。それに伴って、特設サイトも開かれています。冒頭の10頁ほどが立ち読みできるようになっているようです。

⇒『悪魔をむにゅむにゅする理由』を立ち読みする

　エロ系の主人公というと、どうしても受け身＆鈍感というのが多いですが、今回はそのパターンを少し外してみました。もう少し積極的に、もう少し敏感に。もちろん、女の子もどこかが敏感です。どことは言いません（笑）。
　コミケに並ぶ人は、是非『悪魔をむにゅむにゅする理由』を読みながら行列の中で時間潰しをしませう♪

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No.1巨乳フェチ作家が送る、巨乳フェチライトノベル！　主人公は、ライバルより早く魔物を見つけ出し、巨乳をむにゅむにゅすることができるか!?

　

　クリスマスが終わりましたが、明後日28日、ぼくの新刊が発売されます。
　タイトルは、

『悪魔をむにゅむにゅする理由』。
　最後に思いついて編集さんに送ったタイトルです。
　キャッチコピーは最初と最後にでぎあがると言いますが、タイトルもキャッチコピーみたいなものなので、同じ。
　むにゅむにゅする場所は、もちろん決まっています。
　オッ……（以下自粛）。
　まったくもって鏡裕之っぽい小説ということです。巨乳フェチは満載。今回は物語の展開速度に気をつけて書いてみました。「これぐらい情報があったら気づいてんだろ、馬鹿」とは感じさせないようにしてみようという魂胆。うまくいっているかな？
　主人公は受け身君ではありません。へたれてもおりません。これからは自ら動いて自ら察知して、自ら……むにゅむにゅする。
　これです。
　というわけで、あらすじ。
　

綺羅星夢人は、高校2年生。悪友のレオナルドに連れられて妙な洞窟に入り込んで、超乳の天使像の胸をさわってしまう。その罰として、3日以内に魔物の胸をさわって人間にするように言われてしまう。どうやら魔物は夢人が通う学園内にいるようだが、いったい誰なのか？

　発売は12月28日です。年末は悪魔をむにゅむにゅしながら過ごそう！

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『巨乳ファンタジー』のシナリオライターが生み出す、巨乳フェチライトノベル！　主人公は、ライバルより早く魔物を見つけ出し、巨乳をむにゅむにゅすることができるか!?

　

　人の評価には、太陽の評価と月の評価というのがあるのかもしれない。
　世の中には、自尊心を満足させたいという気持ちが強い人がいる。自分を凄く見せたい、自分は凄い人間なんだと他人に言わせたい、自分は他の人と違うんだ、すばらしいんだって言わせたい、認めさせたい。
　そういう、「自尊心を満足させたい」という気持ちは、自分を優先した考えだ。自分は自分のことを凄いと思いたい、あなたも同じようにわたしを凄いと思って。それは、自分が願う自分像を他人にも間接的に強要する姿勢である。そういう姿勢や気持ちは、他人を切り捨てること、他人への配慮をしないことによって成り立っている。そこには自分しかない。
　そういう人は、自分が凄いと思わせることを最優先にしてしまう。結果、「そこでそれを言ったらあなたの立場がまずくなるでしょ」というところでも、自分が凄いと証明してくれる事実を暴露してしまう。結果、立場が危うくなる。
　あとで立場が悪くなる……と考える人は、他者から自分を評価する視点を持っている。その方が、結果的に自分を一番よい状態にキープできるということがわかっているからだ。
　だが、自尊心を満足させることにこだわってしまった人は、そうはいかない。他人へ配慮することは、自分優先の考えに待ったをかける。
　自分がこう思いたい自分像を、他人にも同じように持つように思ってほしい。そして、実際にそう思ってくれた。やった！　自己満足はそこで頂点に達するが、他人への配慮は、その頂点へ行くプロセスに待ったをかける。自己満足という完結性に対して外から乱入し、完全性を損なうように、自己中心主義の人には見えるだろう。自分が、自分が……と自分だけで成り立たせようとしている世界に他人を入れてしまうと、異物が入って完全性が失われた感じに思えてしまう。第一、生の他人を入れたら、「あんまり自分はたいしたことないじゃん」ってことがバレてしまうではないか。
　自分を凄いと思いたい人というのは、そこそこ優秀だけど、そこそこなのだ。そこそこ凄いだけで、めちゃめちゃ凄いわけではない。それが半ばわかっていて、でもそれを認めたくなくて、一方的に自分が思いたい像を他人にも持ってほしいと願いつづけてしまう。でも、そもそも本当の自分を否定しているから、不安定なままになる。その不安定さを、他人から凄いと思ってもらえることで補おうとする。自己中心主義なのに、実は思い切り他人に依存しているのだ。
　そういう人には、たいてい劣等感がある。でも、勉強はできたりする。ある程度「自分はできる」という気持ちを持っている。「自分はこれくらいできるはずだ」という像を持っている。でも、自分が持っている「わたしは凄い人」という像と、他人がその人に持っている「この人は凄い」という像とがずれている。自分は自分を凄いと思いたいのに、まわりはそんなに凄いと思ってくれない。この中途半端な宙づり状態は、苦しい。不安定だ。だから、なんとか自分は凄いと思わせようとする。結果、他人への配慮を捨てる。そして、自分の凄さを喧伝しようとする。
　この手の人の劣等感は、近親者によって起きる場合がある。自分自身も優秀なんだけど、まわりにもっと凄い優秀な人がいると、自分の評価と他人からの評価との間にずれが生じて、自分を凄いと思わせようという気持ちが強くなりすぎてしまうのだ。
　しかし、違う側面もある。
　人間にはスポットライトを浴びるタイプと、あんまり浴びないタイプがある。自分は凄いと思う気持ちが強い人、つまり強いスポットライトを浴びたいと思っている人があまりスポットライトを浴びない状態だと、自分を凄く見せようという気持ちが強くなって、どんどん他人への配慮から遠ざかる。この当人が編集の場合、「他人」＝「自分が担当している作家」でもあるので、こういうタイプの編集さんは作家を尊重しないし、作家をだめにしてしまう。幸い、ぼくはその手の編集さんにお会いしたことがない。
　評価にもいろんな形がある。派手にスポットライトを浴びるタイプの評価もあれば、あまり人が口にしないけど地味に評価されるというタイプもある。つまり、太陽光に照らされるタイプの評価もあれば、それより地味で暗めだけど月光に照らされるタイプの評価もある。どちらも評価は評価である。太陽光の方が絶対的に上というわけではない。でも、月光タイプの人が間違って太陽光に照らされたいと思ってしまうと、他人を切り捨て、自分だけの世界に走り、結果としてはそもそも一切の光を浴びない状態になってしまうのだ。
　自分が凄いと思われたいという気持ちは悪い気持ちではないけれど、それだけではただの醜い人間になってしまう。「自ら恃むところ頗る厚」い山月記の李徴になってしまう。そして、その前提は「自分は自分が思うほど充分に評価されていない」という事実認識にある。その前提が間違っているのだ。その前提が、その人に苦しい思いを生じさせているのだ。たとえ無評価であってもそれが自分への正当な評価であり、自分は充分に評価されていると捉え直すこと、自分の姿を受け入れること。それがその人にとって一番必要なことなのだろう。

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　議論が好きと書いている人の言葉を額面通りに受け止めてはならない。そういう人に限って、実際に議論すると「わたしは～なので」と言って議論を拒絶する。
　どこが議論が好きやねん（笑）。
　つまり、自分が受け入れられる間口が狭く、思い込みが強いのだ。議論が好きなのではなく、自分が思い込んでいることに対する共感が活発に行われるのが好きなだけなのである。
　さて。
　ほとんどの人は、文学を知らない。というより、文学の読み方を知らない。文学と娯楽小説は違う。娯楽小説は、筋書きを追いかけていれば答えはわかる。しかし、現代の文学小説は、筋書きを追いかけてもわからない。批評理論という専門的なものを使わないと、わからないようになっている。
　感性で情景描写を受け取ってもわからない。饒舌な文体や情景描写にはある目的がある。村上春樹にしてもそうだ。彼の饒舌な文体は、ぼくが思うところ、プルーストの流れのもとにある。

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　プルーストは、見通しのよいパースペクティブな小説を拒絶したきらいがある。彼は、意識的に呼び覚ます記憶と、日常の事物から無意識的に呼び覚まされる記憶とを区別した。前者が意識的記憶、後者が無意識的記憶である。
　プルーストは、後者の無意識的記憶を重視した。その結果が、ものや情景について事細かく描写するというスタイルだったように思う。詩的な気分になったから叙情的に書きました……というわけではないのだ。
　ただ、プルーストの饒舌の意図と、村上春樹の饒舌の意図とは重なっているように思える。プルーストは、無意識的記憶を描こうとした。それに対して、村上春樹は記憶と人というものの関係について触れようとしているようだ。国破れて山河ありではなく、記憶残って人はなし、という記憶と人との関係。記憶は残るが、人は残らずに消えていく。その喪失。そういうことについて触れようとしているような感じがする――『ノルウェイの森』の冒頭と末尾を照らし合わせる限りは。

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　現代の文学小説は、筋書きを追いかけただけではわからない。情景描写に目を奪われていてもわからない。謎解きはできない。たとえば『１Ｑ８４』のように、なぜヒロインは平仮名とカタカナでしかしゃべらないのか……といった謎は、筋書きを書いても答えはわからない。そこに解読理論を持ち込んで初めて解読できる。たとえばテリー・イーグルトン『文学とは何か』を読むなどして批評理論と呼ばれるものを身に付けて、初めて謎解きができるようになる。
　つまり、現代文学は、めちゃめちゃ敷居の高い読み物なのだ。活字で書いてあるからといって、みんながわかるわけではない。いいとこの大学を出たくらいじゃ、現代文学はわからんようになっているのです――専門的な批評理論を身に付けない限りは。
　だから、『ノルウェイの森』についてある「究極の恋愛小説」というキャッチコピーを見ると、苦笑してしまう。戦略的には、あのキャッチコピーは正しい。そして、すばらしい。しかし、だからといってあの小説のテーマを言い表しているわけではないのだ。仮に本当のテーマを記してしまうと、ほとんどの人の心を掻き撫でないもの、まったくスルーしてしまうものになってしまうだろう。
　なお、批評理論の勉強はこちらで。

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　より本格的に学びたい人はこちら。テリー・イーグルトン『新版文学とは何か』。純文学小説を書くという人には、最低読んでいてほしい一冊。

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　鏡です。
　今日から新しいゲームの企画です。今月のうちに終えて、来月に向けて準備するつもりです。
　『巨乳ファンタジー外伝』については、自分でもいい仕事ができたな、という感覚を持っています。それを支えてくださったのはwaffleの社長、そしてスタッフの方です。本当にありがとう！　特にディレクターの子には本当によくしていただきました。
　『巨乳ファンタジー外伝』は、原点回帰の作品です。原点回帰とは『巨乳ファンタジー』の原点に返ることです。具体的には、『巨乳ファンタジー』が持っていた、スカッとする感じ、物語が広がっていく感覚。それを大切にするということです。そのために舞台も広げました。
　『巨乳魔女』で、巨乳フェチというポルノをやりながら人格論をやるということはやっちゃったので、そういう部分は今回やっていません。『巨乳ファンタジー』の時に目指していたように、リーマンショック以降格差社会で苦吟する子たちにスカッとする快感を味わってほしい。ファンタジーならではの世界の広がりを感じてほしい。そういう気持ちでシナリオを書きあけました。最後の２週間は、リライトで400-500kbほど書いちゃったみたい。来年の発売を楽しみにしていてください。

　鏡です。
　『巨乳ファンタジー外伝』が終わって、ようやく一息ついたところです。昨日は午前中からお風呂に入って分とく山でランチを食べて散髪をして皇琲亭で一服してカイロプラクティックに行って、最後にプレミアリーグの試合を見ていました。
　さて、今日『巨乳魔女』のノベライズ下巻が発売になります。
　今年だけでノベライズを４冊書いたことになります。作品自体に人気がないとノベライズは書かせてもらえないので、本当にありがたいことだなと思います。
　『巨乳魔女』下巻は、『巨乳ファンタジー外伝』と同時期に執筆していました。締め切りが11月10日前後。でも、きっちり書き上げることができました。
　ぼくが経験してきたノベライズの中でも、一番エッチシーンの比率は高いかも。でも、ちゃんとストーリーもある。というか、ゲーム本編とは結構違っています。『巨乳ファンタジー』のノベライズはグラディスルートという感じでしたが、今回は誰々ルートという感じじゃない。もはや並行宇宙。担当さんが、waffleさんからＮＧが出るんじゃないかとひやひやしたくらいです。もうひとつの正史ってキャッチコピー通り。そして最後には、主人公トモルの正体も明かされています。『巨乳ファンタジー』をプレイした人には、にやっとできるかも。是非、お手にとってみてください。

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　鏡です。
　東京都の青少年健全育成条例は大詰めを迎えていますが――今日、『巨乳ファンタジー外伝』のシナリオを書き終えました。ぼくの方のシナリオ作業は、終了です！　あとはラフチェックが残るぐらいかな？
『巨乳魔女』では人格論、人間論の方向に寄ったので、『外伝』では原点回帰、スカッとする気持ちよさと物語の広がり感を重視して書きました。主人公を通してすかっと気持ちいい感覚を楽しんでもらえるんじゃないか、物語が広がっていく感じを味わってもらえるんじゃないか、と思っています。『外伝』と呼ぶにふさわしい内容ですので、お楽しみに。

　東京都は、近親相姦を描いた漫画は規制すると言う。しかし、日本の場合、近親相姦は母－息子である。息子が母を犯す、あるいは母が息子を犯すというものだ。兄と妹の近親相姦は韓国、父－娘の近親相姦は、規制の根源である欧米である。日本のポルノ小説でも、近親相姦といえば母－息子が多い。日本のエロマンガでも、母－息子の方が多いのではないかと思う。
　その状況下において、近親相姦を描いた漫画を規制する必要はあるのだろうか？　母－息子の近親相姦を描いた漫画を読むと、母が真似をするというのだろうか？　息子が真似して母にセックスを強要するというのだろうか？
　規制を叫ぶ東京都の裏に透けて見えるのは、セックスを「結婚⇒正統な家族誕生⇒出産⇒人口増加」という近代国家の枠組みに当てはめ、それに寄与しないオナニーや正統な家族からはみ出す近親相姦を取り締まろうという、100年も前の価値観である。そんな古くさい処方箋で、21世紀の社会問題が解決できるものか。
　処方箋違いがどんな問題を引き起こしているかは、病院を見ればよくわかる。これが社会の場合、患者の代わりに社会が、日本が死ぬことになるのだ。日本の中心である東京が日本を壊してどうするのだろう……？　日本を壊して未来の子供たちが絶望する社会をつくりだすのが、政治の役目なのだろうか？

　お知り合いの方のmixiの日記を転載します。

来週の月曜（12月6日）に都条例問題を考える集会があります。
以下、山口弁護士のブログより転載。
http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2010/11/post-8546.html
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「『非実在青少年規制』改メ『非実在犯罪規制』へ、都条例改正案の問題点は払拭されたのか？」

主催：「東京都青少年健全育成条例改正を考える会」
＜共同代表：藤本由香里（明治大学准教授）・山口貴士（弁護士・リンク総合法律事務所）＞
東京都千代田区麹町４丁目２番地第２麹町ビル２階
リンク総合法律事務所内
tel: 03-3515-6681 fax: 03-3515-6682
yama_ben@nifty.com
協力：「コンテンツ文化研究会」

参加費：無料
事前申し込み：不要
取材の方：受付にて登録をお願いします。

２０１０年１２月６日（月）
１８：３０（開場）　１９：００（開演）　２１：１５（終了）

中野ＺＥＲＯ小ホール（ＪＲ／東西線中野駅南口から徒歩８分）
http://www.nices.jp/access/zero.html

＜パネリスト予定者＞

河合幹雄（桐蔭横浜大学法学部教授・法社会学者）
呉智英（評論家・日本マンガ学会会長）
兼光ダニエル真（翻訳家）
とりみき（漫画家）
西谷隆行（日本雑誌協会・編集倫理委員会委員）
保坂展人（前衆議院議員・ジャーナリスト）
水戸 泉／小林来夏（作家）
山本弘（作家）
藤本由香里（明治大学准教授）
山口貴士（弁護士・リンク総合法律事務所）

その他、登壇者鋭意交渉中
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ここが大きな山場になります。
人数が集まらないと反対の声は"その程度"と見なされます。
可能であれば、ぜひご参加ください。
もちろん、私も行く予定です。

現在、都議会の共産党・生活者ネット・自治市民の3会派は
今案には「反対」を明言してくれています。
民主党の賛否がカギになります。
反対の声を民主党に届けてください。
特に規制反対派の議員さんには応援の声も大切です。
「反対と思っていても市民からの実際の声がないと動けない」
という議員さんもいらっしゃいます。
もちろん、毎度毎度ですが文面は丁寧に書いてください。
6月の否決へのお礼も忘れずに。

都議会民主党
http://www.togikai-minsyuto.jp/

こちらのページも参考になります。
http://angels-pathway.clanteam.com/What_to_do_101123.html
ちょっと長いですが、一読の価値はあります。

　民主政治には、大きな原則がある。心の中で思っているだけでは、まったく動いてくれないということだ。政治家は、人の心を読む作家ではない。実際に自分の元に来たメールや手紙の数字、集まった人の数。そういう現物で判断してしまう。
　心の中では「条例反対」と思っていても、それを見える形にしないと政治家は動いてくれない。いや、見える形がないと政治家は動きづらいのだ。お時間のある方は、ここで動いてオタクの力を見せつけてやりたいものだ。

　東京都の青少年健全育成条例が問題になっている。東京都ということで他県の人は関心を持ちづらいが、東京都がだめになると、出版社が集まっているだけに影響は全国に及ぶ。東京都の条例は、実は全国区の問題なのである。
　いろんな新聞社が、この条例に対して批判的な記事を書いてくれている。新潟日報、愛媛新聞、朝日新聞。いういった素敵な記事を見て、いろんな人が感想を書く。あれはよかったね。あれこそマスコミのやる仕事だよね。なのに他の新聞社はやらない……。
　ぼくたちの仕事は、嘆くことや悲嘆にくれることではない。勿論、ぶつぶつと文句を言うことでもない。悲嘆や文句では、世界は変わらない。自分たちの大好きなものは守れない。
　応援してくれる都議の先生には、ちゃんと応援のメールや手紙を送る。応援してくれた記事に対しては、その新聞社に対して、「お問い合わせ」のところからご意見ご感想として「あの記事はよかったです」と送る。そうすることで、反響という世論ができあがる。あの記事に対して、反響があった。大きな問題なんだ。これは、やはり守らなきゃいけないんだ。反響の大きさによって、そういう空気が醸成される。それが一番大切なことなのだ。そしてそれができるのは、ぼくたちなのだ。ぼくたちはただ悲嘆にくれて情勢を見守るだけの、無力な人ではないのである。ぼくらにだってやれることはあるし、やれることをやれば、力になるのだ。
　

　東京都都議浅野先生と伊藤まさき先生にメールをした。児童に対する性犯罪は、主に近親者によって行われているのだそうだ。マンガやアニメ、ゲームへの表現規制は処方箋違いである。処方箋違いが、国力の低下や文化力の低下にもたらす影響は甚大である。
　民主党が国会においてみっともない姿を曝け出しているのは、百も承知だ。なさけないな、何やってんだ、とも思う。けれども、ぼくらの文化に理解を示してくれている都議の方は、凄くがんばってくださっている。そういう方には、どんな政党の方であれ、応援したいし、エールをお送りしたいなと思う。そして、ぼくたちはぼくたちができることをやりたいと、強く思う。今年前半に比べて反響が少ないぞ、手紙やメールが少ないぞ、じゃあ、守らなくていいのかな、なんて気持ちにはさせちゃいけないな、と思う。