1995年に『新世紀エヴァンゲリオン』とともに現れ、無口タイプを強烈に印象づけることとなったキャラといえば、綾波レイである。我ら心のふるさとというわけだ。
　その綾波レイが山下しゅんや氏の手によって生まれ変わることになった。
やまと Creators'Labo CL#015 新世紀エヴァンゲリオン 綾波レイ【12月予約】

　一目見てわかるのは、その等身の高さと表情の艶かしさ。そして、むちむちした太腿である。
　恐らく、以前、山下しゅんや氏のブログに掲載されていたものをリバイズされたのだろう。ブログ掲載時には包帯がついていたが、包帯はなくなっている。

⇒綾波レイ　山下しゅんやバージョン（あみあみ）
⇒綾波レイ　山下しゅんやバージョン（HOBBY STOCK）
　
　今のアニメは、「美少女」のアニメである。
　つまり、ササキバラゴウが『<美少女>の現代史』で言う、思春期の思慕と思春期の性欲を折り込まれた、性と恋愛の対象としての思春期的少女である。それは「大人の女－ロリ」の間に位置する性的な中間項として70年代末～80年代初頭にかけて成立したものだ。
　そして、今のアニメの流れを加速させた『新世紀エヴァンゲリオン』もまた、美少女が中心のアニメである。
　だが、山下しゅんや氏が描いてみせたこの綾波レイはどうだろう。美少女ではなく、一人の女。虚構から飛び出して現実の世界で生を得た19才が綾波レイのコスプレをしているかのようだ。
　これは１つの解釈である。
　そして、アニメとフィギュアの違いを大きく指し示すものだ。
　アニメの世界は、美少女の世界である。しかし、フィギュアでは、萌えフィギュア（美少女）と大人フィギュアが両立しているように思える。この差がなぜなのかはわからないが、非常に興味深い。
　それを考える上でも、山下しゅんや版綾波レイは非常に面白いけれども、じっくり観察しているつもりがその艶かしい表情に見入ってしまうから不思議だ。胸を大きくしたバージョンの綾波レイもかつて存在したけれど、山下しゅんやバージョンの綾波レイの胸元には、不思議と少女っぽさがない。２２、３歳頃の成熟した大人の雰囲気が、胸の谷間に漂っている。オッパイよりも腰つきが強調されたフィギュアだと思うけれど、胸も悪くはない。ただ欲を言うなら、オッパイ星人としてはあと２カップぐらい大きくしてほしかったなあ。
〈美少女〉の現代史


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