『放課後エトランゼ』は乳シズムの作品ではない。
　まったくのオリジナルの同人誌ではあるが、YAKIYAMA LINEの夏コミ新刊だというのに乳シズムはほとんど入っていない。１カット乳揉みのシーンが、１カット乳吸いのシーンが入っているぐらいである。『RAISIN BREAD01』で見せた、あの執拗な乳フェチ視線はどこにもない。
　だが、それでも買わせてしまう何かがある。買わずにいられないリビドーがある。その中には、女子学生というものへの根源的欲望が漲っている。


　『放課後エトランゼ』の中にあるのは、老／若、醜／美という、いわゆる陵辱的な対立構造だ。いやらしく醜いデブの中年教師が若くて健康的な中学生を犯すという構図である。しかし、その中に充満しているのは、セーラー服の女の子を徹底して犯したい、教室で犯したい、体操服で犯したいという、思春期的肉体への飽くなき欲望なのだ。
　少年の心に戻って思春期的肉体へ戻りたいというのではない。今の大人の心のまま思春期的肉体を貪りたいという、倒錯的リビドーが全開しているのだ。全編に満ち溢れているのは、思春期的性的シンボルとしてのセーラー服への、あるいは性的シンボルとしての体操服への、射精欲求である。実体ではなく、記号としての女子中学生への性欲が、あふれだす精液のように充満しているのだ。女子中学生を犯したい、思い切り貪りたいという欲望が、ギンギンにあふれかえっているのである。そして、それがオッパイ星人でない者をも引きずり込んで購入させてしまうのだ。
　『放課後エトランゼ』は乳シズムの作品ではない。しかし、リビドーにおいては、過去作品と同じである。そして鏡は、そのリビドーにふるえたのだ。セーラー服へのリビドー、体操服へのリビドーに共振したのだ。
　同人誌はリビドーである。いかに「やりたい」という欲望が漲っているか、リビドーが充満しているかだ。そしてそのことを、『放課後エトランゼ』は示している。

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