2007年現在、ゆきやなぎ氏の商業作品で最高の乳シズムを誇るのが、『ミルクママ』である。２年前に築かれた、この乳吸いの頂点を破る巨乳コミックは、いまだに現れていない。
　乳揉みについてはDISTANCE氏が、乳のみに対するリビドーにおいては琴義弓介氏が、ボリュームにおいてはにしまきとおる氏が極めているが、乳吸い＆母乳というコンボにおいては、ゆきやなぎ氏の『ミルクママ』が最高峰である。


　「ミルクママ」は、『ミルクママ』に収められている３連作のシリーズである。
　主人公は田中ヒロユキ。
　ママと二人暮らしをしているが、毎朝頭を悩ます問題がある。
　ママにせがまれて、学校に出かける前に母乳を搾り、吸い出してやっているのだ。自分を産んだときのミルクがまだ出るのである。
　しかし、さすがに最近はいくら何でもやばいだろうと思っている。
　そこで「もう母さんのオッパイは吸わない」と宣言するのだが、それに対してママが持ち出した解決策が、「パイズリ」だった。もちろん、パイズリだけで済むはずはなく、逆にヒロユキが発情して……とお話は展開していく。
　つまり、100％能天気な好都合、すなわち、ポルノ的楽園というわけだ。ポルノかくあるべし、という姿である。この割り切った、すがすがしいまでのライトタッチなポルノ的展開と、明るくエッチなノリには、拍手を禁じえない。
　何よりも、その乳吸いとミルクの噴出がいい。
　その母乳は、いわゆる絶頂とともに女性的射精として出るミルクではなく、自然に分泌する母なるミルクであるけれども、母乳を飛び散らせて喘ぐシーンには、甘えを受け止める母性なる記号性と快感を表すシグナルとしての記号性の２つの記号、すなわち母性的符丁と官能的符丁の２つがきっちり折り重ねられているのだ。
　だが、そんな小難しい理屈など、どうでもいいことだ。とにかく、ミルクママがエロいのであり、またママがミルクを搾り出されるシーンがエロいのであり、ママが射乳するシーンがエロいのである。乳房の吸い方も、乳首のいじめっぷりも、しつこくてとにかくエロいのだ。
　乳吸い星人のことを密かに「スイマー」と呼んだりするようだが、スイマーにとっては幸せな金字塔だろう。ゆきやなぎ氏には、是非母乳ものを、ミルクママを主人公にした短編を書いてほしいものだ……と、一人のスイマーとして願うばかりである。　
ミルクママ

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