天羽雅音 ウィッチブレイドパワーアップVer. 完成品 壽屋版を筆頭に、テレビシリーズ放映終了後も、なおエロフィギュアを量産しつづけるウィッチブレイド。アルター版天羽雅音・私服Ver然り、オーキッドシード版天羽雅音然り、いろっぽまさね然り、その爆乳的造型は、爆乳ヒロイン・天羽雅音に集中している。
ウィッチブレイド 天羽雅音 ウィッチブレイドパワーアップVer. 完成品 壽屋版（予約）

　本作天羽雅音 ウィッチブレイドパワーアップVer. 完成品 壽屋版も、その爆乳母・天羽雅音をフィギュア化したものである。人妻とは思えないそのムチムチのオッパイ。戦う姿にあってもエロイその乳房のふくらみ。まさに、彼女は戦うおっぱいフィギュアである。
　今回の壽屋版・天羽雅音 ウィッチブレイドパワーアップVer.が以前と違っているのは、ウィッチブレイドを発動したときの姿だ。初期バージョンではなく、さらにパワーアップしたバージョンである。このあと、彼女は身体に異常をきたして壮絶な最後＝最期へ向かっていくことになるのだが、その壮絶なラストの悲しみを思わせるような、いい造型だ。

• 壽屋版天羽雅音あみあみ画像
• 壽屋版天羽雅音アキバHOBBY画像

　オーガズムのことをフランス語で「小さな死」と言うように、死は元々、エロスと関係が深いと言われている。そして彼女は戦闘美少女の系譜――ファリック・ガールである。ファリック・ガールとは、ファリック・マザーから生み出された造語だが、一児の母である彼女は、まさに文字通りの「ファリック・マザー」だ。
　ペニスを宿した母性。男性の欲望を埋め込まれた母。
　のちにわかることだが、彼女は本当の母ではない。彼女が娘だと信じている子は、ＤＮＡ的には違うからである。彼女は育ての親であって、本当の産みの親ではないのだ。
　だが、それがまた、逆に戦闘美少女としての価値を高めている。否、戦闘美少女として描くためには、そうならざるを得なかったというところか。
　戦うヒロイン、戦う性的対象としては、天羽雅音は本物の母親であってはならなかった。セックスせずしてキリストを生んだマリアのように、天羽雅音は永遠の処女であり、永遠の少女でありながら母でなければならなかったのだ。
　本来、戦闘美少女は「少女性」に根源がある。少女性と処女性は必ずしもイコールで結ばれるものではないが、少女性とは、成熟の逆である。
　だからこそ、戦闘美少女はグラマラスな存在としては描かれてこなかった。男に抗しうる一人立ちした女ではなく、本質的に男に抗し得ない、まだ一人立ちを遂げていない少女として描かれてきた。すでに女として形が固まってしまった姿ではなく、男によっていくらでも形を変えられる、未成形の存在として。ちょうど峰不二子に対するクラリスのように――。
　だが、80年代後半に入ってオタクフィクションが商業的に拡大し、オタク向けに限定して商品をリリースしてもＯＫになり始めた頃から――つまり、オタクマーケットが確固として生まれた90年代はじめ頃から――ファリック・ガールに埋め込まれた性的対象性が成長を始める。
　それを暴走と捉えようが肥大化と捉えようが自然な進展と捉えようが、今や、オタクフィクションは性的対象性、エロス性を欠いて語ることはできなくなっている。そしてその性的対象性が存在を強めるのと呼応して、戦闘美少女は、「存在的にも身体的にも未成熟な美少女」から、「存在的には未成熟だが身体的にはグラマーな美少女」と化している。そしてその流れが、天羽雅音を準備したといっても過言ではない。
　天羽雅音 ウィッチブレイドパワーアップVer.壽屋版は、おっぱいフィギュアである。リビドーを埋め込まれた、性的対象性としての戦闘美少女である。天羽雅音ほど、「戦い」というものと「エロス」というものを、「勇敢」と「バスト」という形で具現化したヒロインはいまい。天羽雅音は、戦闘美少女の性的対象性を、アニメそのもののエロ化現象を、2006年度において最も鮮やかな、露骨な形で表現したヒロインである。
　壽屋版の天羽雅音 ウィッチブレイドパワーアップVer. 完成品 は、エロスと死が近い関係にあることを、そして戦闘美少女が高い性的対象性を持つことを、美しく悲しい形で示しているのだ。

コトブキヤ 天羽 雅音 ウィッチブレイドパワーアップVer.【5月予約】

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