オッパイ星人にとって、三種の神器といえば、乳揉み、乳吸い、パイズリである。乳シズム三原則、「乳は、揉んで吸って挟んでなんぼ」のストレートな具現である。しかし、別種の三種の神器を提示した一冊がある。
　九手児氏のデビュー作、『Angel's stroke01』だ。
　この中には、乳責めとフェラとパイズリしかない。本番の描写カットは一切なし。潔いつくりである。いい棘だ。
　同人誌のネタは、『ＭＯＮＳＴＥＲ』だ。
　ニナが子供たちに捕まって性的なお仕置きに遭うというお話である。だが、そのお仕置きに移行するまでの導入が非常に自然で、単純なご都合主義ではないのだ。ポルノだからご都合主義でもＯＫなのだけれども、そこをナチュラルな方向に近づけていくところに、物語への意志を感じる。
　鏡は、当初乳的にはそれほど期待していたわけではなかった。フェラチオの資料のために購入したのだが、嬉しい大誤算だった。乳責めが充実していたのだ。
　Ｔシャツをめくりあげた途端、揺れる乳。
　横乳の美しいライン。
　後ろから執拗に乳首を責められてもがくニナ。
　二人の男の子によるダブル乳吸い。
　乳房の形も、たっぷりと詰まったロケット型に近い豊弾で、嬲りたい欲望を喚起させる。上下に角度のついていない、真正面から見た乳房も、輪郭のラインと形がいい。乳房へのよき偏愛を感じる。モデルになっているのは、恐らく外人に特有の、ツンと突き出した立体感のある美巨乳だろう。鏡はpage3ガールのKeeley Hazellを想像する。
　個人的には、ダブル乳吸いの場面がもう少し長まわしで欲しかったなあ、母乳を吸われてさらに喘ぎのたうつニナの姿を見たかったなあ、フェラの最中にも別の男の子に乳房を吸わせるシーンが欲しかったなあという思いはあるけれど、それは鏡のわがままである。
　絵的には、成熟していない部分もある。デッサン的に未完成な部分もないわけではないが、巧拙の間の揺らぎを遥かに越える魅力がある。何よりも、アングルというものに対してチャレンジングなのがいい。この人は絵的に成長していくだろう。しばらくその作品を――作品の軌跡を追いかけてみたいと思う子が現れたものだ。
　現在、とらのあなを首め、通販が行われている。