エンターテインメントを作っていると、ひとつの疑問にぶつかることになる。

　汝は何者か。

　それは自分は何者かという問いである。
　問いの答えは、単純なものだ。

　我は我である。

　「我は我である」というのは、単なるトートロジーではない。
　「我は我である」とは、「自分が世界60億のたった1人であり、何かが秀でているといっても所詮お遊び程度、厳密に考えていくと絶対他人にはない部分、自分にしかない部分というのがなく、勿論世界の偉人級に格別際立っているものがあるわけでもなし、どんなに自分が変わっているとか思ってみても結局自分は大衆に埋没したちっぽけな存在、ほとんどサハラ砂漠の中の１粒の砂粒のような存在でしかなく、存在しようと存在しまいと変わらないほど希薄で意味のない存在にすぎない」と自分の卑小さ、存在の薄さを認識しながらも、「しかし、その無に近い状態でも自分という人間はたった一人しかない。どんなにいないように思えても、自分が存在しているということに意味がある。自分の属性ではなく、自分の存在自体が世界の中でのオリジナリティなのである」と悟りを開くことである。
　一言でいえば、相対性と絶対性の両局面において自分を捉えきるということ。自分の相対性と絶対性を理解するということである。
　初めてエンターテインメントを作り出した頃は、作れるという状況に満足してしまう。しかし、売り上げが出なかったりウケなかったりすると、違うことを考えるようになってしまう。果てには、ウケを狙ってしまうということにもなる。だが、それは本末転倒だ。
　鏡も「できるだけ多くの子たちやファンの子たちを楽しませよう」とは思うけれど、ウケを狙ってファンに靡こうとは思わない。ファンは、作家がウケを狙ってくれることを望んでいるわけではないのだ。純粋に面白いものがほしいだけ、楽しみたいだけなのである。
　ウケを狙うことと、楽しませることとは、実は違う。
　ウケを狙うことの中には、自分がほめそやされることが入っている。しかし、楽しませることの中には、自分への賞賛の期待は入っていない。
　第一、ウケを狙って靡いてみたところで、そんな薄っぺらい偽装はすぐ見破られて剥がれてしまう。
　30作品も作ってきたからか、ゲームを企画していてもどんな批判が来るのかは予想できるようになった。勿論、発売してから予想外の批判が来て、勉強させられることも多々ある。ありがたいことである。そういう批判は謙虚に受け止める。
　だが、善意の結果生じる批判については、避けようとも躱そうとも思わない。多くの人たちに楽しんでもらおうと思って何かを盛り込めば、そのことによって逆に一部の人たちの批判を巻き起こしてしまう。それは避けられないことなのだ。誰かを楽しませれば、宿命的に誰かにつまらない思いをさせてしまう。それがエンターテインメントの世界なのである。
　無知ゆえに生じる批判、作り手としての未熟さゆえに生じる批判を躱すべく作品に工夫をするのはよいことであるけれど、善意の結果生じてしまう批判を躱そうとするのは、本末転倒である。第一、鏡は批判を躱すためにゲームをつくったりポルノを書いたりしてるわけではない。
　面白くない、と言われることを覚悟しながら、より多くの人に満足してもらおう。その中で自分のやりたいことを実現してやろう。そう思ってつくるのが、エンターテインメントの世界だと思う。

技術開発をしているが、ウケ狙いのきらびやかな技術というのは本当に使えないし、受け入れられない。

世の中でどんな問題があって、現状の対応はどうであるのか、そこにある本質的な問題が何なのか、を先ず考えなければならない。まあ、当たり前だけど。

で、解決できればそれで良いのか、というとそうでもない。今現在の技術からの乖離が激しいと如何に素晴らしい技術であっても受け入れられない場合が多々あるし、仮に受け入れられたとしても物凄く時間が経ってからになるので、今困っている方々の助力には結果としてならない。

根本解決が現状技術からの大きな隔たりの向こうにある、なんて事はよくある話で、それが分かったらその隔たりを埋める努力をしないといけない。現状の技術から徐々に目的とする解決策へと導く、各個人がわりと簡単に克服できるステップを設けなければならない。面白いことに、このステップを経ていく過程で、最初に考えた根本解決とは違う解決策が出ることもしばしばである。

なんでもそうだが、技術もまた生き物である。だって、人が関わっているのだから。


で、「自分って何？ 」 という話しだけれど、米国の高校では面白い授業がある。その授業名はズバリそのもので、Self-esteem(自尊心)。

この授業、どうやら全員が受けるわけではないらしい(間違ってたらごめんね)。心理テストを行って、自尊心が欠落していると判定された生徒を対象に行うそうだ。

例えば、宿題が

　「この世にあなたが生まれなかたら、どんなに悲しい世世の中になっていたかのエッセイ作成。」

とからしく、自分に自信が持てないときに自分を奮い立たせるための方法として

　「鏡の前に立って、自分自身にこう言うのです。『あなたは素晴らしい、特別な存在。この世になくてはならない、かけがえのない存在。』 これを何度も自分に言い聞かせるのです。」

と授業で教え、実際にやらせるそうな。


教室中の生徒がやってる姿を想像してみて下さい。

＞教室中の生徒がやってる姿を想像してみて下さい。

アメリカが宗教国家だということがよくわかりました（笑）。
キモい～～～～！

上記のことに気付いたきっかけは何なのでしょうか？
いわゆるエンターテインメントと言われる作品を出している多くの人は、上のことに気付かないままに、過ごしていると思われるのですが。

　きっかけは、もちろんフジテレビではありません（笑）。
　死んでもテレビ局ではないぞ！（笑）

　さては個人的な恨みがあるのか？
　残念！　ありません！

　残念なのか？（笑）

　実はあんまり覚えとらんのです。
　伏線をたどると、『上限の月を喰べる獅子』だと思うのよ。あそこで意識づけというか準備がな
されていた。
　で、たぶん、自分が完全に自分の短所と長所を肯定し、真の意味で自分を好きになったときに
「我は我である」を理解したと思うんですな。

　それがクリエイターに当てはまると気づいたのは、『ブラバスター』を出す頃かもしれません。

　しかし、やはりアメリカは傲慢だの～。
「わたしは偉大だ！」「価値ある人間だ！」「自分が生まれなかったら世界に損失が！」なんて、
妄想ではないか。

　自分はちっぽけな存在であり、限りなく無に近いけれども、存在自体に意味があるのだ、存在自
体はかけがえのないものなのだ、という発想はできんのだね、あの馬鹿な国には。自分の矮小さを
認めつつ、そこから価値を見出すという高度な精神的技術は、歴史のない国民には難しいらしいの
う、がははは。自分の偉大さを勘違いするところからスタートしようとは、未熟と稚拙の塊です
な。己を恥じよ。

　やはり、あの国に謙虚さはない。
　アメリカ、大いに叩かれるべし。

自尊心ともう一つは

　　うぬぼれ

である。

ただ、自尊心を大きく持つというのは国際社会では非常に重要で、「矮小なる自己の認識」 など口にしてはならない。謝罪は最大の敗北であり、最大の自己否定、というのが米国型国際社会(≒国際社会(∵勝てば官軍))のルール。中華圏にもこれは当てはまる。勿論、個人レベルで仲が良くなれば、個人レベルではその限りでは無いけれど。

フランスのように経済植民地化に失敗したら、内戦を起こさせ兵器を売りつけるくらいの商魂が必要なのである。

とはいえ、米国の民度の程度がどうであるかは、多大なる被害をもたらしたKATARINAで世界に証明されてしまったのは事実。Self-esteemなんて授業をしているようじゃ、「譲り合い」 や「助け合い」 の精神はそう簡単には生まれないのかも知れない。フランス系移民が黒人に助けられたとBBCなどでは報道があるんだが、CNNやFOXを見ると、いつも黒人が悪者。白人が物取りしても、生活のための必要悪、と解説。同じ行為でも、黒人だと何故だか犯罪呼ばわり。まあ、そんな国です。白人主体の国体維持に米国は必死なようです。ただ、米国では、BBCもCNNもFOXもその他色々見れるので、偏向報道しかほぼ存在しない日本より、その意味においては随分マシなのかも知れない。

　アメリカが叩かれていますが（苦笑
現在、私の通っている高校のクラスに、アメリカからの帰国子女の子がいます。
　日本で育った人間とは考え方が違うものだなと実感していますが、その人にすれば日本は狭いようです。
　考え方が１つにしぼられてしまったり、学生が無気力だったりすると感じています。
　
　アメリカの学校では、何に対しても学生がエネルギッシュだそうです。だから、自然と文化祭などのレベルも大きく変わってくるそうです……。
　一概にアメリカを叩く事は出来ないと思います。やはり、
そこにいた人でないと分からない事があるのでは？　

　同じ人種でも非人などと言って差別している日本人――
自分たちを叩くべきかと。

　まあ、どっちがどっち……とも簡単には言えませんが。
こういう場所から、考え方のすれ違いやステレオタイプが
生まれるのかもしれませんね。（苦笑

鏡さんこんにちは

鏡さんの言う「我は我である」という認識は、事実だなと思いました。
余計な意味を含めずにただ単純に事実だと。

自分を過大に評価していたり、自分を過小に評価しているうちはきっと至れないのだろうなと思いました。


人間自分の生きてる意味とか理由とかを欲しがるけれど、そんなのはない。そんなのは自分で決めてしまえばいいと思うのです。

●Nagi君

　そこにいたからわかることもあるが、そこにいたからわからないこともある。
　また、日本に帰国したばかりだと、日本の悪い点ばかり目につくことが多い。

　わが知り合いは、フランスに１０カ月ほど滞在して帰ってきたとき、かなり長い間日本批判をや
っていた。ちゃんとした意味で日本を捉え直すようになったのは、数年後。

　考え方が１つにしぼられてしまったり感じているというが、その帰国子女は、アメリカ人の７割
が外国を知らず、外国に出かけず地元の狭～い地域しか知らずに一生を終えることを知っとるのか
ね？
　
　あの国は国土は広いが、海外に対してほとんど世間知らずよ。
　イラクに侵入したとき、世界的な遺産であるジッグラドに基地をつくったが、そこが有名な遺産
であることに気づいていた兵士はほとんどいなかった。

　アメリカは、充分に偏狭でローカルなのだよ。
　世界にはいくつも軸があるのに、アメリカこそ標準と考えちまってるんだからね。
　
　世界最大の権力を握った、大いなる世間知らず、大いなる田舎者です。
　そのあたり、中国と似とるけど。
　
　その帰国子女の子は、日本に来てまだ表面的な部分しか見えていないように思うね。その子も、
パターン通り日本＝ダメ、アメリカ＝よいという考え方に染められている気がしますな。

　敗戦から５０年以上経過しているが、いまだなお日本＝ダメ、アメリカ＝よいという敗戦直後の
敗北的考え方が、見えない形で存在している。それに染められてはいけない。染められてしまう
と、自分の脳味噌で考えるのではなく、世間の脳味噌で考えるようになってしまう。結果、アメリ
カに優位なように行動するようになってしまう。

　日本は５１番めの州ではないのだ。

●伊達めがね君

　過小評価も過大評価も、あまり変わらんのよね。
　微小と無とを認めて、初めて人は自分の価値がわかる。

　自分の価値というのは自分で決めるもの。
　そう思えば、恥ずかしいことなど世界にはほとんどない。

　ところで、ブログ、やめちゃったの？

ブログ、形を変えてやっております。

飽きっぽい性分なので、なかなか続かないのですが、今度こそ続けられたらと思っています。