「反ポルノ運動の旗手であるキャサリン・マッキノンは、『日本には女性が女性の為に作るヤオイというポルノがある』と聞かされ『絶対ありえない、ポルノはどんな場合でも男性の為の物だ』と返した」

これ、性差別的見方ね。
ポルノ批判者って、実は性的差別主義者ってことが多い。

なぜ性差別的なのか。

まず、性差別の意味の確認。

性差別とは、性別を理由に男または女を差別すること。
差別とは、あるものを他のものより低く扱うこと。

次に、ある歴史的事実を。
長い間、「女性に性欲はない」という嘘の下、女性は性的に抑圧され、差別的な見方をされてきた。

では、マッキノンの言葉の検証。

「ポルノは男だけが読むもの」とは、「女はポルノを読まない」ということ。
「女はポルノは読まない」とは、「女に性欲はない」ということ。

つまり、マッキノンは、女性の性欲を否定している。

だが、性欲は、男女ともに持っている。ポルノは男だけが読むものではなく、女も読む。

マッキノンが「ポルノは男だけが読むもの」と言う時、ポルノや性欲は邪悪なものとして仮定されてしまっている。つまり、「ポルノは男だけが読むもの」と言う時、男を邪悪なものとみなし、男は邪悪であると宣言していることになる。

これは、性別を理由に男を女より低く扱うことであり、性差別である。

また、「ポルノは男だけが読むもの」という時、それは「女はポルノを読まない」ということを主張していることになる。「女はポルノを読まない」とは、「女に性欲はない」ということである。「女に性欲はない」と言うことは、女性の性欲を抑圧するものであり、これまた性差別的である。

したがって、マッキノンの物言いは、男に対しても女に対しても、ともに性差別的である。