無乳好きの下倉バイオ君と巨乳好きの鏡裕之を合成したらどうなるのだろうとツイートしている子がいた。実に興味深い問いだ。

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　性的嗜好に限って答えれば、何も起きない。
　貧乳は巨乳を拒絶し、巨乳は貧乳を拒絶する。それだけである。

　たとえば貧乳好きと巨乳好きを合成すれば、ちょうど均されて真ん中の普通の大きさの乳を好むようになるというわけではないのだ。貧乳を求めるメンタリティと巨乳を求めるメンタリティはまったく違うもので、それぞれのバックに、異なる男性性のレベルが存在している。

　男性性はどのくらいのレベルか。どのくらい主体性を発揮して自己実現しているか。どのくらい他者承認されているか。性的嗜好はそれらによって決定される。したがって、ある性的嗜好――たとえばバストの大きさの好み――についても、それぞれ異なる男性性のレベル、異なる主体性のレベル、異なる他者承認のレベルがバックに存在するということだ。

　それらを単純に合成することはできない。たとえば高い男性性と極度に低い男性性を合成すれば、何が生まれるというのか。仕事における極度に高い主体性と普通の主体性を合成すれば、何が生じるというのか。低い他者承認と高い他者承認を合成すれば、何が起きるというのか。

　何も得られない。性的嗜好は、すべての合成を拒絶するのだ。

　その決定的な理由がある。
　性的嗜好には、標準がないからである。スタンダードというものがない。ノーマルというものすらない。そういう世界では、合成は不可能なのだ。

　しかし、不可能だからこそ、戯れとして問うのは楽しい。そこにツイートの楽しみもある。