不当な単純所持規制や創作物規制に対して戦う日本で最もオタクを守る弁護士、山口先生のサイトでも記されていますが、今、東京都が非常に危険な動きを見せています。
　東京都青少年問題協議会です。
　まだ国が踏み込んでいないにもかかわらず、国よりもさらに過激な形で二次元に対して規制を行おうとしています。
・同人を規制したい
・規制に反対するのは暴力である
・過激なエロマンガや児童ポルノを読んでいる人たちを、ある種の障害を持っている人にできないか
　こういうことが議事録の中で議論されています。

私は、青少年が見なければいいとか、そういっただけではなくて、実際に写真じゃなくて漫画だから被害者はいないだろうではなくて、全体でどうしてこんなに小さい子どもが性被害に、昔からこうだったのか。なぜこうなったのか。本当に増えていると思うんです。やはりアニメ文化とか、ロリコン文化が絶対助長していると思います。

　こう発言している委員もいます。こういうのを何かというと、偏見と言うんですね。自分たちの趣味圏外にある人たちを悪と断定して、悪と結びつける。そして「自分たちは悪じゃない」と安心する。難しい言葉で、第三項排除と言いますが、その対象に、常に若者文化が挙げられてきました。同性愛もそうです。権力者側というのは、いつも社会の問題を、自分たちが気に入らない趣味や文化に押しつけます。かつて、推理小説が流行った頃、推理小説を模倣して犯罪が増えている、推理小説は犯罪の温床であるということが言われました。ルーズソックスも叩かれたかな？　文化的誹謗中傷のターゲットは現在、推理小説からアニメや漫画など、ぼくたち秋葉系エンターテインメントに移っています。
　委員の人たちは、ロリコン漫画を描いている漫画家たちを狂信的と指摘していますが、健全と認めるもの以外を排除しようとする動きの方こそ、実は狂信的です。人間でも、器のある人は自分の趣味ではないものも広く受け入れます。多様性を認める態度が豊熟した大人であるということを、知っているからです。逆に、認めない人は、半端な人として認識されます。器のない未成熟な人は、非常に狭いレンジのものしか認めません。
　社会にしても同じです。そして問題は、この半端な偏見の持ち主たちが力と権利を持っていて、東京都内で二次元に対して非常に厳しい規制を課そうとしているところにあります。
　東京在住でない人には関係ないように見えますが、東京都の問題って、地方に飛び火するんですね。特に倫理関係は危ないんです。「地方自治体の中でも力のある東京都の条例でまず規制して、さらに他県でも規制させて、そして国政でも規制させよう」というのが規制派の思惑なのです。
　これを読んでいる人の中には、「もともとエロマンガとか児童ポルノなんてやばいものなんだから、やばいものなんて禁止されて当たり前だろ」と考える人もいるかもしれません。実は、性的な世界って、おぞましさが一番表れる場所なんですね。自分の趣味に合わないものはおぞましいと感じてしまう。そういう世界なのです。おぞましいからといって即いけないわけではないのです。「おぞましいからいけない」って考え方を食文化に持ち込んだら、関西の人にとって納豆はおぞましいものになって全面禁止って、無茶苦茶なことになってしまいます。「おぞましいという理由だけでやばいと結びつけて禁止していいんだ」、そういう論理を通してしまうと、たとえ自分が気に入っていても、権力側がおぞましいと感じたものは、すべて禁止という形になってしまいます。規制側の偉い人の狭小な倫理観だけに左右されるということになってしまうんですね。大衆はおいてけぼりです。ワインを飲んでフレンチを食べて能や歌舞伎を見てお上品なことばかりしていて、大衆文化を理解しない人たちに、そんな規制を任せたいって思いますか？
　経済学者の岩井克人という方がいます。その方が、もし邪魔なものを取り去ってしまったらどうなるか、数学的な証明を行っています。

結論だけをいいますと、それは、均衡が達成されるどころか「不均衡累積効果」とういものによって、システムが壊滅してしまうというのです。

　これは経済学にだけ当てはまることではありません。文化でもそうです。規制論者の言う通りに「邪魔なもの＝アニメやエロマンガ、児童ポルノ」を完全に排除してしまうと、逆に社会というシステムが崩壊してしまうのです。過激な規制をすることによって、逆に性犯罪が増えて非常に危険な社会が生まれてしまうのです。児童ポルノの単純所持を禁止するなど厳しい規制を課したイギリスやスウェーデンでは、逆に性犯罪が増えたという報告も聞いています。そのような社会に住みたい人はいるでしょうか？
　Ｙ世代が主流の時代は、もう終わりました。「何もしたくない、何もされたくない」と内側にこもっていると、あからさまに秋葉系エンターテインメントに対して悪意をもっている人たちに攻撃されて文化を抹殺されてしまいます。同人誌の人たちも同じです。おれたちアマチュアだから関係ないとか、好きにやりたいだけだから、なんて個人主義を振りかざしていると、生活の手段をごっそりもっていかれます。同人の人たちも、美少女ゲームが今年どんなふうに攻撃されて陵辱ゲームが禁止に追い込まれたか、見たでしょ？　あれは、今度、あなた方同人の世界にも来るんてすよ？　Ｙ世代の主義主張を貫くと「圧力団体にはならない」という言い方になるのかもしれないけど、それだとつぶされてしまいます。同人ショップの多くは東京都にあるんですよ？　東京都で規制が行われたら、そこで販売できなくなってしまうんですよ？　同人の人は生活できなくなってしまいます。それでもいいですか？　同人の人たちは、今こそ他の規制反対の人たちと手を組んで、悪意のある人たちと戦ってほしいな、と思います。
　ぼくらのアニメやぼくらのエロマンガは、今、非常に危険な状態にあります。特に同人の人たちは緊迫した意識をもって、この問題を見てほしいな、と思います。

これはヒドいｗ
こう言う人達は、自分が一番まともだと信じてるんだろうな。潔癖症なら一回、医者にみてもらった方が良いよ

　文化的＆倫理的な潔癖症は、プロテスタントが主流を占める国家に特徴的な考えです。そしてそこの文化に感染しまくった人は、同じような考え方をする可能性が高くなります。

　ぼくたちに必要なのは、シニカルな態度ではなく行動です。
　守ってくれた人にはお礼のメールをさしあげ、守ってくれそうな人に対して「ここが問題なんです」という礼儀正しいメールを送る。そして、反対活動をつづける子たちに寄付をする。

　それが一番なんだろうなと思っています。

日本で最も危険な東京 ブログ巡回中に、東京都の議会が児童ポルノ関連の規制を行おうとしている記事を見つけましたのでご紹介します。 ま... 　［続きを読む］