昨日の有楽町の火事で、新幹線は大変だったみたい。その混乱した新幹線に乗っていた女性のツイートが、炎上した。
彼女のツイートは、こう。

ちょいと新幹線の車掌さんよ！大幅に遅れて運行している中、席がたくさん空いているのにグリーン車の切符がないとグリーン車に乗れないなんて全っっっ然やさしくなーい。立ってる子連れやお年寄りよりがいるからお願いお願いって言ってもダメだった。あたいの説得力の無さったら……チーン

車掌さんたちもきょうはきっとお客さんに怒鳴られたり文句言われたり業務に追われたりといろいろ大変だとは思うけど立ってる人への配慮プリーズ。こんなときの規則なんてグシャグシャしてポインじゃ

これに対して非難囂々。
曰く、座りたきゃ余分に金を払ってグリーン車に乗れ。ただ乗りさせろって言ってるのか。たかりめ。

みんな豊かではなくなった社会。
心豊かになれないのはわかる。貧しい心の人たちが増える社会的理由もわかる。

それにしても、現場を想像できない人が多いんだなって思わざるをえない。ある人曰く、「ただ混んでるって状況じゃなくて、赤ちゃん抱いてるお母さんも4時間くらい缶詰にされて通路でオムツ替えしてたような壮絶な状況だった」。

こんな状況を目にすれば、彼女みたいにつぶやくのは凄く自然なこと。
しかも、彼女は車掌さんたちを気遣いながらお願いをしている。凄く思いやりあふれるツイートだ。

それに対して、噛みつく人たち。
こんな男ばかりだから、女の子も結婚できないんだよねって言いたくなっちゃう。

きっと、ノブレス・オブリージュって言葉を知らないんだろうね。
高貴なる人の義務。

お金を持っている人や上の人は、高貴なる者の務めとして弱者にいたわりを見せる。
ヨーロッパは父性原理ばりばりの国だから、弱者へのいたわりを日常で見せるという形で母性原理を補ってる。

日本はグローバリズムで急速に父性原理に向かっている。結果、母性原理で補うという部分が失敗している。

彼女のツイートは、規則規則という父性原理を貫くのではなく、緊急時だったのだからもう少し母性原理を弱者に対して行なってもよかったんじゃないかって提案なんだよね。

それに対してロジカルにわめく人たち。
彼らを見て、ステキって思う女性は少ないんじゃないかしら。

ところで、「お金を払ってグリーン車に乗ればいいじゃん」と言っている方。あなた方は、もちろん、緊急時にはぽんと5000円出してグリーン車に乗れるんだよね？

簡単に乗れるのに「グリーン車に乗ればいい」って言ってる人。あなたは「パンがないから菓子を食べればよい」と言ったマリー・アントワネットと同じ間違いを犯している。もっと大衆の意識を理解しよう。

乗れないにわめいている人たち。反省しなさい。

ちきりん氏の記事「「AともいえるがBともいえる」とか言う人の役立たなさ」について。

「Ａとも言えるしＢとも言えるよねえ」というのは、ちょっと頭がいいと思っている人たちがよく言う台詞だ。非常に低レベルの相対化。第１段階の初歩的メタレベル。オタクの子もこういうことを言う子が結構いるので、オタクの子は注意だ！

「Ａとも言えるしＢとも言える」というのは、「Ａの場合もあるし、Ｂの場合もある。それを確かめてみよう」って意味での「Ａとも言えるしＢとも言えるし」ではない。つまり、研究者の態度ではない。

ちきりん氏は低レベルの方の相対化を言ってる。低次元の相対化の言説。何か言っているようで、自分の主張を強く伝えるということはしていない。

ちきりん氏が自分を出すタイプなので、自分を出すタイプが理想視されているのだろう。それゆえ、自分を出さないタイプに対して辛口になるのだろう。

ちきりん氏の理想は措いておくとしても、低次元の相対化でよろこんでしまうタイプというのは、あまり何かをなさない。自分は賢いんだってふりをして、その低レベルでとどまってしまう。

だって、目的が「ぼくちん賢いんだよ、目が見えてるんだよ、むふふ～♪」って知らしめることにあるからね。拍手よおれのために来い。そりゃ、何もせんわな。ただのしょうもない自己満足だもん。

純粋に理論的に「Ａとも言えるしＢとも言える」という状況はある。もちろん、ある。でも、「Ａとも言えるしＢとも言える」というその言葉が「純粋に理論的にそうだから」言っているのか、「ただ相対化して自分は賢いってアピールしたいから」言っているのかというのは、大きな違いがある。

「そういう消費者もいるだろうが、そうじゃない消費者もいる」なんてのは、後者のパターン。本当に賢い人なら「そういう消費者はどのくらいいるの？」って比率を聞いてくる。聞いてこない時点で、脳味噌が足りない。

「そういう消費者はこれくらいの割合でいる」あるいは「そういう消費者はどれくらいの割合でいるの？」というのが一番望ましいね。

『翠星のガルガンティア』

　ここ数年の中では、『TIGER&BUNNY』に並ぶ秀逸なアニメだとぼくは思っている。またロボットものの歴史の中でも、ＡＩを人間的自立（思考的自立）を支えるコーチとして描いた、画期的な作品だとも思っている。そして、１人の人間の精神的自立を描いたものとしても、非常に優秀な作品だと思っている。
　
　しかし、このインタビューには首を傾げた。
　仕事もの？　利他主義？　低い次元をうろついているというか、勘違いをされているのではないか？

　『ガルガンティア』では若い人向けに仕事ものを描こうとしたということだけど、正直、クライアントの要求を満たしている、つまり、利他主義を満足させているようには思えない。

　仕事ということと生活ということがごちゃごちゃになっていて、仕事ものとしては決して成功してはいない。

　そもそも、すでに強大な組織の中で「仕事」をしている人間が、自分で考えて他人のために仕事するように変化をする姿を描いても、仕事ものにはならない。それは仕事の変質（仕事への取り組み方の変化）であり、自立的成長にしかならない。仕事ものではない。

　全体として仕事を描いていても、主人公に仕事がメインの問題として組み込まれていないため、「精神的な自立」や「ヒディアーズの謎」などに飲み込まれて視聴者には伝わらない。

　組織の中でどう働くかにしても、さっさと人類銀河同盟から切り離されてしまうので比較対象としては弱いし、第一、主人公が集団のトップではなく一員である時点において、集団論にも組織論にもならない。もちろん、仕事ものにもならない。組織や集団の中でどう自分を見出していくかという話、やはり自立の話になってしまう。

　きつい言い方だけれど、仕事ものとして描くには監督は思考不足だった、力量不足だったというのがぼくの考え。仕事に対する洞察や考えが、まだ不十分だった。まだ浅かった。それを物語に落とすのも上手くなかった。結果、精神的成長ものとしては大成功だったけど、仕事ものとしては失敗作になった。
　
　若い人向けに仕事ものというのなら、仕事をしていない人間が仕事をしていくということを描いた方がもっとわかりやすかった。でも、実際はそうはなっていない。ただ、非常に指揮系統がはっきりしていて自立的思考を要求されなかった組織から、自立的思考を要求される組織に移って自立した人間を描いたというだけ。
　
　それが仕事もの？
　いや。
　ビルドゥングスロマンだよ。監督の勘違い。本人が自立的思考をしない代わりに、人類銀河同盟があり、すぐそばにＡＩがあったというだけの話。結局、自立の話。仕事の話ではない。仕事の変質を描いても、「若い人向け」の仕事ものにはならない。にもかかわらず、仕事の変質を描いて仕事ものを語る勘違いとそのレベルの残念ぶり。
　
　やはり、仕事ものとしては完全に失敗作だった。にもかかわらず「仕事もの」を口にする監督には、作り手として非常に違和感を覚えるし、未熟さ（レベルの低さ）を感じる。正直、そのことは口にしないでほしかった。

　ぼくは、批評というのは、クリエイター自身が見えていなかった盲点を突きつけることによって本人をはっとさせることにあると思っている。だから、あえてこの記事は、監督に向けてストレートに書いている。勘違い、低レベルという言葉は、本人に奮起と覚醒を促すためである

　本当に無能な人にブログを費やす価値も必要もない。ある程度力のある監督だからこそ、ぼくはきつい言葉で書いている。
　

「えっちなゲームするくらいなら彼女作ればいいのに。」

『ラブリケーション２』というゲームの１場面。
成川姫というヒロインの台詞ね。

全然関係ないが、このゲームのヒロイン、なかなかええ乳しとるのう。

このゲームやヒロインを批判するつもりはないからね。
いい題材なので、コメントします。

この台詞は、「フィクションは現実の代用」という間違った古い代用理論が、（すべてではないが）女性の心理に食い込んでいること（存在していること）を示している。

「現実に彼女がいない」⇒「代用するためにエロいフィクションを鑑賞」というのが、代用理論。で、代用理論は間違っている。

海賊になれない⇒ワンピースを読む？
探偵になれない⇒名探偵コナンを読む？
刑事になれない⇒相棒を見る？

違うよね。代用理論は間違っている。

でも、代用理論で考える女性がいる。
その事実を、このゲームのヒロインの台詞は示している。


「えっちなゲームするくらいなら彼女作ればいいのに。」という台詞には、さらに罠がある。

女性はセックスの捌け口って言ってるのと同じなんだよね。
過激なフェミニストなら怒りそうな台詞。

だから、このヒロインの台詞は間違ってるとかこんな台詞を言うべきではないとは思わないけど、二重に誤謬があるってこと。

で、蛇足。

「彼氏の性欲も、わたしが全部受けとめちゃる！」なんて人はこの台詞を言ってかまわんのかもしれんけど、「え～、そんなのいやぷ～」とか思ってる人は嘘つきなので、こういう台詞を言わんように。

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