今期は良質なアニメが多いね。乳的には『メイドガイ』が傑出しているけど、ストーリー的にもいいものや期待できるものが多い。ニトロプラスとＧＯＮＺＯが組んだ『BLASSREITER』もそのひとつだろうし、『ＲＤ』も『イタズラなkiss』もそうだと思う。けれども、個人的には『図書館戦争』が一番おもしろい。
　年号が変わった近未来の日本。
　メディア良化法という、青少年の健全育成を守る法律が成立。強権的かつ超法規的なメディア良化委員会が誕生し、武力行使を伴う言論弾圧とメディア規制を行っていた。それに対抗するため図書館法を改正、全国に図書隊を組織してメディア良化委員会と闘争を開始。その図書隊の女の子を描いた物語が『図書館戦争』だ。
　図書隊の組織を見る限り、モデルは警察組織のようだ。早い話が、図書館と特殊部隊ものを組み合わせたお話だ。これが映像も美しくて、人物の描きっぷりもいい。
　物語の舞台は2019年と設定されている。でも、この日本で２つの組織が武力衝突を起こすわけがないし、そこまで軍事化するはずがない。それは誰もが思うことだろうし、ぼくだってそう思っている。けれども、これは単なる虚構ではない。これは、今現在進行している状況の視覚化だ。
　青少年健全育成のもとにたとえばぼくの業界などは色々とバッシングを受けているわけで、森山元法相やアグネス・チャンたちが先導＝煽動して「二次元も児ポ法に」「頭の妄想も取り締まれ」なんてMSNやYAHOOなんかを取り込んで自己満足的・排他的なキャンペーンをやっているわけだけれど、それに対するぼくたちの心の中の闘争を視覚化すると、『図書館戦争』になる。
　『図書館戦争』は近未来の物語ではなく、今ある状況を描いた作品なのだ。それを肌で感じているからこそ、原作小説は70万部のセールスをあげているのではなかろうか。内容的には凄く問題作なのに、凄くおもしろい物語です。
図書館戦争

見つけました！！ 今ある現実〜『図書館戦争』〜『図書館戦争』は近未来の物語ではなく、今ある状況を描いた作品なのだ。それを肌で感じているからこそ、原作小説は70万部のセールスをあげているのではなかろうか。内容的には凄く問題作なのに、凄くおもしろ 　［続きを読む］