オタクにとっては、「もういくつ寝るとお正月」ではなく、「もういくつ寝るとコミックマーケット」である。というわけで、いささか時期遅れではあるが、10月に出されたNEEDLE GARDENの新刊『ヨーコっぱい』を読んだ。
　元ネタは、すでに放映の終わっている『天元突破グレンラガン』。ヒロイン・ヨーコが獣人につかまって乳房をさんざん責められて犯されるお話である。
　かんとり氏だけに、オッパイのボリュームもボリューム感もいい。たぷたぷ具合も形も抜群だ。前からオッパイを揉むシーンでも４カットまるごと１頁、乳首が隆起するシーンを３カットで描いて乳首をいじめ、さらに乳首を吸うシーンを２頁にわたって描きつづけている。かんとり氏のリビドーが炸裂した、見事な出来ばえだ。
　しかし、なのだ。ヨーコ中心に進んでいた乳責め物語は、突如として微乳のニア中心の物語に切り替わってしまうのである。陵辱されるヨーコの乳首を見て乳首を勃起させたニアが乳首を責められてしまうお話に切り替わってしまうのだ。最後の２頁でヨーコにカメラは戻るが、前半の乳責めテンションはもはや薄れ、ただオマンコを犯されるだけの女になってしまっている。オッパイ星人としてはなんとも残念な次第だ。かんとり氏本人もあとがきで「ニアは要らなかった」と書かれている通り、ニアにカメラを振る必要はなかった。ニアを登場させる必要はなかった。妙なところで読者を意識するのではなく、自分の巨乳への欲望を通してパイズリを、噴乳を描くべきであった。前半が非常に秀逸だっただけに悔やまれる次一冊である。この反省を、かんとり氏は果たして冬コミで活かせるだろうか……？