迂闊であった。処女作が出た時点で気づいておくべきであった。
　笹川ハヤシ。
　その２冊目の単行本、『処女通信』（処女と書いておとめと読む）がつい先日発売されたのだが、これが乳フェチ的に非常にいい。MUJINのサイトに、少しだけサンプルがあがっている。
　タイトルこそ、「おとめつうしん」となっているが、内容は完璧に乳フェチもの、それも爆乳に対する欲望と快感がはちきれそうになっている。
　天太郎氏を思わせるタッチ、天太郎氏を思わせるクローズショットで、巨乳と呼ぶには豊満すぎる、あふれんばかりの爆乳に迫り、むんずとわしづかみにし、たっぷりと乳肉を揉みしめ、指の間からはちきれさせる。爆乳を前にしたときの興奮と欲望、揉みしだいたときの感動と快感を、決して省略することなく、フェティッシュに、エロティックに、オッパイ星人のリビドーへ向けて描いているのだ。
　形式的にヒロインを巨乳にし、形式的にワンカットだけ乳揉みを入れた「フェチ偽装」作品とはわけが違う。DISTANCE氏や天太郎氏などと並べても、まったく遜色がない。まさに乳揉みの真髄、オッパイ星人の欲望と快感をものの見事に捉えた、今年三本指に入る力作である。巨乳コミックの世界には、ホンモノが少ないだけに、ホンモノの誕生を素直によろこびたい。
処女通信