ご本人に挨拶はできたものの、会場では手に入れられなかったすめらぎ琥珀氏の夏コミ新刊を、昨日ようやく手に入れた。『無限螺旋』である。
　

　多神教という言い方にならうとするなら、すめらぎ琥珀氏の作品は多性感帯教である。唯乳教ではない。オッパイ的リビドー星雲の中心には、性器挿入がある。そして他ならぬ『無限螺旋』もまた、性器挿入に──それによるペニス型快感ではなくオマンコ型快感に──中心軸がある。
　元ネタは『美少女戦士セーラームーン』だ。想像の生贄とされているのは、惑星から降格されたばかりの冥王星の守護者・セーラープルートーこと冥王せつなである。地場衛に薬を盛られて強制的にセックス、輪姦の快感陵辱地獄に堕とされるという内容になっている。
　だが、その中でも──オマンコ型快感と多性感帯主義の中でも、すめらぎ琥珀氏はオッパイ愛撫を忘れない。フェティッュにかっちりとカメラを止めて捉えるのではなく、流れの中で流動的にオッパイ愛撫を、オッパイへの手と舌の責めを、描いている。その描き方は男性の陵辱視線というより、女性の被虐視線である。欲望する男の視線というより、感じる女の視線である。そしてそれが、すめらぎ琥珀氏固有のエロさを生み出しているのだ。男性的な陵辱視線を好む者にはもっと長くねちっこく……ということになるかもしれないが、純粋にエロさを求める者には、すめらぎ琥珀氏の、爆発した流れるようなリビドーを楽しめる一冊になるだろう。
　なお、すめらぎ琥珀氏の商業誌は以下の通り。
Sweet3 room