昨日、友人と喫茶さぼうるでバカバカ帝国とマジメ帝国の話をした。
　バカバカ帝国は脳内にある馬鹿帝国である。バカバカなことを考えるのが、バカバカ帝国だ。哲学マジメ帝国はマジメに自己反省してやたら考えちゃう帝国である。
　バカバカ帝国は偉大である。バカバカ帝国は、哲学マジメ帝国を駆逐し、鬱帝国を撃退できる。 マジメになりすぎた頭をやわらかくし、鬱になる可能性を摘み取ってくれる。とっても強い味方である。
　マジメに哲学をやると、言語的思考力と分析力は鍛えられる。「ユーザーさん次第ですよね」とか「それはメーカーによりますよね」なんて、ちょいと相対性に問題を落としこんで、ちょいと頭のいいふりをしているのがはてしなく頭が悪いということがよくわかるようになる。相対性の相対性を、さらに相対性の中の絶対性を見抜けるようになる。
　だが、哲学マジメ帝国は危険だ。哲学マジメ帝国が脳内を全部統一してしまうと、国内に鬱が発生しやすくなってしまう。マジメすぎるがゆえに、そして考えすぎて自己反省しすぎるがゆえに、自分の目指しているレベルに少しでも到達しないと、敗北感がどんどん蓄積されてしまう。哲学マジメ帝国は鬱帝国に対しては弱いが、バカバカ帝国に対しては強い。バカバカ帝国を倒せるのは、哲学マジメ帝国だけである。だが、哲学マジメ帝国を倒してしまうと、自分の中に、鬱帝国を倒すものがなくなってしまう。
　鬱帝国は哲学マジメ帝国を内破するが、バカバカ帝国には簡単に負けてしまう。バカバカ帝国が脳内世界の覇権を握っている間は、鬱帝国は発生しようがない。
　三者の関係からして、バカバカ帝国は最強である。バカバカ帝国は、それ自体が命なのだ。バカバカ帝国は、命の帝国なのである。おバカは偉大なのだ。