同人サークル「DIGITAL ACCEL WORKS」の新刊『UNDER 300M』。
　GAINAXが贈る今年上半期最高の乳アニメ『天元突破グレンラガン』。その『グレンラガン』を題材にした同人誌の中では、乳的に最もすばらしい作品になるはずだった。
　まさか、昨年『ウィッチブレイド』のエロ同人誌でオッパイ星人のハートを射抜いたINAZUMA氏が、土壇場で裏切ろうとは……。
　つかみは非常にいい。
　決して頁数の多いと言えない物語は、コンパクトにヒロイン・ヨーコと野郎二人（シモンとカミナ）が狭い地底に閉じ込められてしまった場面から始まる（実にうまい省略だ）。お互い肉体が密着した中で、カミナが先にヨーコの乳を揉み、シモンもつづいてヨーコの乳を揉む。その狭い中でねっとりと乳房が揺さぶられ、さらにペニスが押しつけられる。非常にフェチのこもったいい描写だ。エロティシズムというのをよく理解している。
　二人の野郎はヨーコにペニスを押しつけ、さらにヨーコに手と口でしごいてもらって、ついに射精する。たっぷり精液を浴びたヨーコは、理性も羞恥心もどうでもよくなって、すっかりエロモードに突入してしまう。
　すっかりノッてしまった野郎二人は、ヨーコの乳首を見ることにしようと合意。ヨーコのビキニに手をかける。
　背中の紐をはらりとほどき、ついにやってくるその瞬間。
　いざ、乳首を露出させるぞ。
　見ちゃうぞ。
　乳首、見ちゃうぞ。
　ビキニが引っ張られ、乳輪が覗く。
　あともう少しだ。
　次の頁では、きっとヨーコの乳首が露出され、蹂躙されるに違いない……！
　ところが最高にボルテージがあがった瞬間、突然電気が切れて真っ暗闇に閉ざされてしまうのだ。勿論、読者が期待した乳首は宙吊り。そのまま同人誌は終わってしまい、永遠に乳首は見られずじまい。これからさらなる乳責めが始まるに違いないとティッシュペーパー片手に待ち構えていた紳士諸君は、いきなり放り出されることになる。
　なんという悪意。
　なんという裏切り。
　オチとしてはこちらの方が面白いというのはわかっている。だが、それはポルノとして進んでいい道なのか？　ポルノとしては、ただの悪意に満ちた裏切りではないのか？　行き場を失ったペニスはどうなる？　行き場を失った１億５千万個の精子は、どうなる？　すっきりできなかった快感は、リビドーは、裏切りを前に何をすればいいというのだ？
　それまでがすばらしいエロティシズムだっただけに、作者の悪意を覚えた。読み終えて殺意を覚えるオッパイ星人もいるだろう。その意味では非常に瞠目すべき作品であるが、オチがいやな人間は買うべきではあるまいし、自分も手放しでは購入を勧められない。
　まともなポルノをつくれる方だけに――個人的に大好きな同人作家だけに――次の同人誌では、このようなおふざけは是非ともやめていただいて、ストレートなポルノで楽しませていただきたいものだ。ポルノに混入されたいきすぎたおふざけほど、ポルノを破壊し、読者に殺意を懐かせるものはないのだから。

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