天使のキュッ

　一度手にしていたはずなのだが、その時はあまり印象に残っていない。
　発売されたのは、2006年6月。半年のブランクを経て、再び手に取ってみると、小粒だが爽やかな乳シズムのこもったエロマンガだった。ちなみに小粒なのは乳シズムであって、乳房の大きさではない。巨乳、爆乳がそろっている。
　青年誌特有のカラーなのか、全体的にはあっさりめである。飛び散る淫液もほとばしる精液も、どこかデオドラント。エッチシーンの流れも、濃厚さ重視というより、流暢な流れ重視。さらさらと流れる幕の内弁当という感じだ。
　だが、乳の描き具合はいい。エッチシーン全体を幕の内弁当のように描くのではなく、乳責め全体を幕の内弁当のように描いている。その分、おしゃれ＆爽やかな感じに仕上がっている。それに対してもう少し濃密な方がいい、ねっとりしている方がいいと思う人もいるだろうが、「オッパイ星人」ではなく、「オッパイ好き」にはほどよいフェチ具合かもしれない。
　一番鏡が気に入ったのは、「悩める果実」。
　念願叶って巨乳の彼女ができたが、デート中、しょっちゅう彼女は転んでいる。実は胸が邪魔になっていて……というもの。
　巨乳というよりは明らかに爆乳なのだが、乳シズムはこの短編が一番ノッている。たっぷりした爆乳の量感と立体感といい、他の短編に比べて濃密なパイズリといい、この短編だけ欲しくなってしまったぐらいだ。次が楽しみな作家さんである。