確か、最も高価な本は、純金の装飾を施した『ケルズの書』だったと思う。当時の価格、300万円。騎虎書房で成功哲学ものをものしている田中孝顕氏が入手していて、白い手袋をはめて眺める姿がテレビに映し出されていた。もう、数年前の話だ。
　すでに話題になって久しい『ダ・ヴィンチ・コード』。
ダ・ヴィンチ・コードヴィジュアル愛蔵

　文庫判が席巻しているが、同じ読むのなら、愛蔵版の方がよろしい。舞台となる教会や鍵となる紋様や彫刻がカラー写真で掲載されているのだ。シラスという登場人物が苦痛を味わうために着けていたシリスのベルト、パリのホテル・リッツやシャルトル大聖堂の異教徒の象徴、逆さピラミッド、打楽器シストルムを持つ女神イシスなど、カラー図版がさりげなく挿入されることで、なんとなくではなく、よりはっきりと『ダ・ヴィンチ・コード』の世界を味わうことができる。カラー写真がないときには「ふ～ん、そんなもんあるんや」という感じで読んでいるが、カラー写真を見ることができるので「へ～え、こんな形しとるんや」「こういうやつか」とフムフムと納得しながらダ・ヴィンチ・コードの世界を味わうことができるのだ。キリスト教やヨーロッパ建築に縁遠い日本人向けの一冊と言えよう。
　さらに豪華で限定版の欲しい人には、こんな一冊が用意されている。
【予約商品】ダ・ヴィンチ・コード　特装革製ヴィジュアル愛蔵版

　限定999部。まるで学術書なみの冊数だが、楽天ブックスで残り10冊。鏡も予約しようかどうしようか、苦悩している。
　さらに、日本情緒がたまらない人には、これ。
ザプライスコレクション

　プライスといっても、ハンマープライスのそれではない。伊藤若冲コレクターとして知られるプライス氏だ。そのコレクション600点から200点を厳選した、コレクター向けの商品。
　購入した者は、江戸の神髄を味わうと同時に己の趣味人ぶりと経済力の高さを味わうことができるという一品（笑）。