女子力という言葉がある。
　歪な言葉である。正直、ぼくは気持ち悪い。気持ち悪さがわからない人は、性的にひっくり返してみるといい。

　男子力。

　もし30代の男性が「男性力を上げるぞ」と言ってたら、どうだろうか？
　正直、キモい。
　30代女性が「女子力」と言った時も、同じである。

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　女子力は、定義がはっきりしない。
　雑誌から生まれた言葉は、往々にして定義が不鮮明だ。

　ぼくなりに女子力を定義しておこう。

　男性に対して魅力的な異性としてアピールできる力のこと。

「Ａ子ちゃん、会席料理がつくれるんだって」
「女子力高っ！」

　会話で表現すると、こんな形だろうか。
　女子力には料理などの素養、男に「この子、かわいい」「この子、いい」と思わせる言動、男性を引きつける化粧も含まれる。

　これが正しいとすると、矛盾している。女子には、「自立」という意味が欠けている。正しく言うのなら、女性力ではないのか。女子力というと、girl's skillという言葉が浮かんで、違和感を覚える。日本人女性の精神的未熟さが連想されてしまう。　

　日本人女性は、母性性は非常に高いが、女性性は非常に低い。日本の男性は口説くのが下手などと言われるが、日本の女性はもっと下手、というのがぼくの持論だ。

　以前、ロシア女性と付き合うためのサイトを覗いたことがある。

質問「ムードをつくるためにはどうすればいいですか？
答え「必要ありません。彼女たちが勝手につくります」

　できる日本人女性は、どれくらいいるだろうか？

　日本人女性の女性性は非常に低い。そして日本人男性も、男性性が低い。欧米基準からすると、未熟な発達にとどまっている。 平たくいえば,日本男性は男としてガキだし、日本女性もまた女としてガキ……という人が双方において多いということだ。

　だが、そんな日本人男性も日本人女性も、ぼくはいとおしく感じる。それに、双方がガキであるからこそ、日本人女性と日本人男性とは釣り合っている。ある意味、お似合いの組み合わせだ。

　男性の男性性が非常に高く、女性の女性性が低い場合は、釣り合わなくてだめになってしまう。逆も然りである。お互いのレベルが近いから、恋愛が発生しやすいのである。

　ただ近年状況が苦しくなりつつある。草食男子の問題だ。

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　ぼくは草食系を批判したいわけではない。草食系は、男性性を育てるバブルプログラム（本田透は、「恋愛資本主義」という不正確な呼び方をしている）が崩壊したことによって誕生した。ある意味、草食系はプログラム難民である。男性性を育てるプログラムを社会が持てなかったゆえに発生してしまった子たちなのだ。ただ、そのことによって恋愛をめぐる状況に大きな変化が起きている。

　かつては男は狩る側。女は待つ側。以前なら、日本人女性は待っていればよかった。けれども、相手が草食系だとすると、待っていても埒があかない。夜が明けるだけである。

　日本人女性は、ただ、待ち、バブル女のように要求するだけの状態から、一歩踏み込んだスキルを身に付けなければならない状態に追い込まれている。

　ここで危険なのは、女性的な自己満足のために女性力をアップさせないことだろう。男性が筋肉だけを鍛えたところで、異性への魅力が上がるわけではない。ごく一部の女性へのウケがよくなるだけである。

　女性にしても同じではなかろうか。

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