表現規制とは、大衆の欲望を管理＆矯正しようとする政策である。それは、ミシェル・フーコーの言う「生々権力」と深く関係がある。むしろ、「生－権力」の具体的表れである。
　生－権力と表現規制に関するツイートをまとめておく。

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ミシェル・フーコーの「生権力」という言葉を見て「生乳」とか「生挿入」とか「生本番」とか予想した人。ステキ！　でも、全然違うよ！（笑）

コトバンクからの引用。

「フランスのポストモダンの哲学者フーコーの用語。近代以前の権力は、ルールに従わなければ殺す(従うならば放っておく)というものだったが、近代の権力は、人々の生にむしろ積極的に介入しそれを管理し方向付けようとする。こうした特徴をもつ近代の権力を「生-権力」とフーコーは呼ぶ。具体的には2つの現れ方があり、1つは個々人の身体に働きかけて、それを規律正しく従順なものへ調教しようとする面である。学校や軍隊において働くこの種の権力は「規律権力」とも呼ばれる。」

この観点からすると、表現規制は生権力の一つである。
さらに言えば、「親学」もフーコーの言う「生権力」の一つの表れ。生権力が巧妙に配されれば配されるほど、窮屈なものになる。そして、世界から豊穣さが消える。そして、生権力を発達させる思考や制度は、非寛容な、一神教的な方向へ向かう。それは文化の豊かさと発展を奪う。

文化の豊かさと発展が奪われると、大衆に対して憂さ晴らしをさせる機能が格段に落ちることになる。結果、その憤懣や不満は、政府に向けられることになる。かくして、大衆の生を統御し、好ましい方に方向づけようという運動は、逆に管理者側（政府）に対してマイナスの結果を招くことになる。

行政側が「変な憧れや刺激を与える偏ったものが多いことからも、近親相姦や同性愛」を規制したいというのは、単純に資本主義と近代国家的な理由。両者は子供をつくらない。結果、人口は増加せず、近代国家システムはうまくゆかず、資本主義のマーケットも広がらない。オナニー害悪説と根本は同じ。

一般市民が「変な憧れや刺激を与える偏ったものが多いことからも、近親相姦や同性愛など」う規制したがるのは、（1)性の世界はおぞましさが最も顕著に表れるから。（2)性の世界に疎いから。（3)異物を受け入れるのは器の広さだが、常人は小人だから。（4)自分がまともと思い込むため。

ポルノは、社会の不満を浄化する力を持つ、国家救済装置。争乱を防ぐ力を持っている。格差社会が広がり、大衆の不満が増大している今にあっては、ポルノに対して規制をかけ、争乱を防ぐ装置を弱体化させるのは、行政側としては愚の骨頂。生－権力を行使すれば国家運営がよくなるわけではない。

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