【送料無料】バースト！ [ アルバート・ラズロ・バラバシ ] 価格：2,940円（税込、送料別）

　人間の行動は、アトランダムではない。あるパターンに従っている、というのが本書の内容。
　たとえばメールする頻度。
　アトランダムにメールしているわけではなく、メールしていない時間がしばらくつづいた後、突然バーストしたみたいに集中的にメールする。そしてまた休止。そして、バースト。
移動距離についても、ほとんどの人は変わらないこともわかっているそうだ。ごく一部に、しゅっちゅう長距離を飛び回っている人がいる。
　しかし、ほとんどの人の居場所は、だいたい予測の範疇にとどまっているともいう。人はアトランダムに見えて、ある程度決まったパターンの中を動いている。そのため、だいたいどのあたりにいるかは予測可能になってしまうのだという。
　これはしっかり人間を観察していれば得られる事実だ。400ページもかけて書く内容ではないが――トランシルヴァニアの過去の人間に対する記述は、正直無駄だ――主張されていることは興味深い。ただ、ここから人間を「数学的に解明されるほど単純な生き物」と考える人がいるとしたら――NHK出版はそのような説明をつけているか――おめでたすぎる。
　どこにいるか。どんなパターンでメールを書くのか。行動のパターンだけで人間を単純な生き物と決めつけるのは、それこそ単純すぎる。そこに美的判断や価値判断は入っていない。価値判断が入ったとたん、ひとは突然複雑さを増す。それを考慮できないのは、よっぽど思考が単純な人である。
　新書で書かれていれば、ちょうどボリュームとしてはよかった。饒舌すぎる分、個人的には印象は悪い。でも、普通の人にはきっと面白く読めるだろうね。
　なお、著者にはこんな本もある。

【送料無料】新ネットワ-ク思考 [ アルバ-ト・ラズロ・バラバシ ] 価格：1,995円（税込、送料別）

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