「プリキュアの報道は妥当」？～生島勘富という馬鹿者～」という記事でも書いたのだけれど。
　生島勘富が「一般の人が持つ仮説」として、次のようなことを提示している。

幼女に対する犯罪を犯す人は、幼女に興味があるわけだから、幼女に関連するアニメやゲームにも興味があるだろう。という仮説を持っています。

　レトリックがあるの、わかる？
　「幼女」という言葉が頻発してるね。それによって、「実在の幼女」と「アニメやゲームに登場する幼女」とがまったく同じものとして捉えられている。
　同じように実在の青少年と二次元の青少年を同一視しようとして、東京都が「非実在青少年」なんて言葉を持ち出したのは、記憶に新しい。その時に、ぼくもこんな本を書いた。

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　表紙のヒロインは、実は『巨乳ファンタジー』のエメラリア。
　Waffleさんのご厚意で、表紙に使わせていただいた。今でも感謝感謝だ。

　というＣＭはいいとして。
　一般の人の仮説についてだ。一般人の仮説とは、平たくいえば、一般の人が抱いている思い込みというかイメージのことだ。

　幼女に対する犯罪を犯す人は、幼女に興味があるわけだから、幼女に関連するアニメやゲームにも興味があるだろう。

　この言い方では、実在の幼女とアニメやゲームに登場する幼女があたかも同じであるかのようになっている。
　仮に「幼女」をＡと置き換えて表現してみると、

　Ａに対する犯罪を犯す人は、Ａに興味があるわけだから、Ａに関連するアニメやゲームにも興味があるだろう。

　ああ、確かにそうかも……という気分になってしまいそうになる。
　しかし、それがレトリック。
　我々は気づいていたではないか。実在の青少年とアニメやゲームに登場する青少年とは違うということを。二次元と三次元とは違うのだ。だから「三次元の女はいやだ」なんて言い方が成立するわけで。
　幼女もまた然り。

　先の仮説は、実は真ん中に、あるロジックが隠されている。それを表現して三段論法で表現すると、こうなる。

・「実在の幼女」に対する犯罪を犯す人は、「実在の幼女」に興味がある
・「実在の幼女」と「アニメや漫画に登場する幼女」は同じである。
・したがって、「実在の幼女」に対する犯罪を犯す人は、「アニメや漫画に登場する幼女」に興味がある。

　見えてきたね～。
　真ん中のロジックが間違っとるのよ。

　さて、実在の幼女をＡと仮定する。アニメやゲームに登場する二次元の幼女をＢと仮定する。
　すると、次のように言い換えられる。

・Ａに対する犯罪を犯す人は、Ａに興味がある
・Ａ＝Ｂである。
・したがってＡに対する犯罪を犯す人は、Ｂに興味がある

　しかし、Ａ≠Ｂなら？
　一発で仮説はひっくり返る。そして我々は、Ａ≠Ｂ、つまり、「実在の幼女」と「アニメや漫画に登場する二次元の幼女」がイコールではないことを知っている。
　生島勘富の主張は成り立たないのだ。彼の仮説も崩れる。結果、報道は不当ということになる。
　マスコミは、不当な報道をしたことに対して謝罪するべきだし、馬鹿な記事を書いた生島勘富は、筆を折るべきなのだ。

　さて。
　問題は、Ａ≠Ｂなのに、なぜＡ＝Ｂであるように思うのか、ということだ。

　これには、倒錯の理論が影響している。
　ある女性Ａに恋している。ものにしたい。でも、できない。だから、Ａの身に着けている下着Ｂで代用する。
　
　これが古典的な倒錯の理論。
　フェィティシズムというのは、当初、この意味で使われていた。

　これを「幼女」に置き換えると、幼女としたくてたまらないけど、できないから幼女の代用品を求めるという理屈になる。
　だが、待て。
　たとえば、女性がマリアという名前だったとしよう。マリアに恋している。マリアとやりたい。でも、できない。だから、マリアの下着で代用する。
　これはわかる。

　しかし、マリアに恋している。マリアとやりたい。でも、できない。だから、フランチェスカの下着で代用するとなった場合、どうか。代用できるのか？
　できない。

　さらにマリアに恋している。マリアとやりたい。でも、できない。だから、マリアとは全然違うし、三次元でもなく二次元だけど、リリスとかシャムシェルとかいうアニメの女の子で代用するとなった場合、どうか。

　倒錯の理屈として成り立たないことがわかる。

　幼女Ａとやりたいと思っている。しかし、できない。だから、幼女Ａの所持品で代用するのなら、古典的な倒錯だが、問題は違う。
　実在の幼女Ａは、ゲームやアニメに登場する幼女Ｂと同一人物なのか？
　そんな馬鹿な。
　三次元の幼女が、アニメやゲームに出演できる？　肉体が二次元変換される？

　そんな馬鹿な！

　「幼女」をすべて「少女」に置き換えても、問題は同じである。
　さて、我々はここで根本的な問いにぶつかることになる。

　倒錯しているのは、幼女に興味を持っている男なのか。それとも、「実在の幼女」と「二次元の幼女」を同一視している大衆なのか。

どうも、鏡先生の作品楽しませていただいてます。
ブラバスターAの4巻以降の発売を密かに楽しみにしているのですが、続巻を出すという事はもうないのでしょうか・・・？

　ありがとう！
　去年、ある出版社につづきを出さないかと掛け合ったのですが、だめでした。

　非常に残念。
　年内で出してもらえるところはありません。

　でも、あきらめずに出してくれるところを探しつづけるつもりです。だめと言ったところも、出していいよと言ってくれればいいなと思ってます。

「実在の幼女」と「アニメや漫画に登場する二次元の幼女」がイコールではないというご意見はもっともだと思います。
ただ、例えを挙げる場合、
>幼女に対する犯罪を犯す人は、幼女に興味があるわけだから、
>幼女に関連するアニメやゲームにも興味があるだろう。
というのは、グループAに興味があるならグループBにも興味があるだろう、という理屈ですから、　
>実在の幼女Ａは、ゲームやアニメに登場する幼女Ｂと同一人物なのか？
といった、個体としての差を上げるより、グループレベルでの差を挙げた方が、理屈がかみ合うように思います

「「プリキュアの報道は妥当」？～生島勘富という馬鹿者～」の記事を読みなさい。
　
　例えを挙げているのではない。
　例えではなく、引用。
　生島の書いた言葉を、直接引用している。引用と例えぐらい気づきなさい。レベル、低いよ。