『レイプレイ』便乗の動きがさらに表面化してきた。アメリカの外圧が形になってきたと言い換えてもいいかもしれない。アメリカは他国に児童ポルノの厳罰化を押し売りするのが商売だからだ。

⇒性暴力ゲーム規制強化へ、与党が流通歯止め検討チーム

　現場にいる人間からすれば、出火がおさまったところへわざわざ消防車をくり出すお馬鹿さんに思える。
　彼らは「多量」というレトリックを使用する。しかし、そもそも、美少女ゲーム業界では変化が起きていて、陵辱ゲームが売れなくなってきているのだ。
　かつては大ヒットはないけど、7000本は取れると言われていた。それが5000本に落ち、恐らく今は3000本にまで墜落している。ユーザーの嗜好変化を考えると、さらに2000本に向かって落ちていく可能性は高い。
　そういう中で、歯止めをかける必要があるのだろうか？
　それに、そもそも、『レイプレイ』は非合法の商品でもない。無法地帯の存在でもない。美少女ゲームでは、基本的に18歳未満の少女は性対象として表現してはいけないことになっている。そのため、そのような配慮をいくつかしている。決して無法地帯ではない。でなければ、都道府県の青少年育成条例で認可を受けることはなかろう。『レイプレイ』は認可を受けて正当に販売されていたものなのだ。
　にもかかわらず、「多量に出回っている」と表現することで無法地帯であるかのように見せかけて、一気に世論を規制擁護へと導こうとしている。おまけにしつこく「少女」をくり返している。読売新聞は、政権の太鼓持ちとして断罪されるべきだろう。このようなところに報道をする資格はない。
　「性暴力ゲーム」という表現の仕方も、相変わらずだ。ならば、90年代のハードポルノで全盛期を誇った陵辱＆調教小説はどうなのだ？　あれこそ、性暴力小説ではないのか？
　「性暴力ゲームの規制に関する勉強会」は、悪意に満ちている。これこそ、ぼくたち秋葉系文化へのレイプに他ならない。レイプとは、レイプされる人間の取捨選択の自由を奪って強引に性器挿入することだが、今ぼくたちが突きつけられようとしている現実も、まさにそうではないか。彼女たちは「他人に被害を与えずに妄想を嬉しむ」という自由を奪って、規制というペニスをぼくたち秋葉系の男子に挿入しようとしているのだ。なぜ強姦したのだ、と問われれば彼女たちはこう答えるに違いない。「強姦ではありません。これは、子供を守るための和姦です」。嘘も方便とはこのことだ。
　野田議員は「子どもを守るバリアが日本ではきわめてルーズだ」と指摘したというが、なぜそこで子供を守るバリアにまで発展するのか。『レイプレイ』をプレイした人間が、事件を起こしたというのか？　問題は日本国内でのみ販売の許されたものを勝手に外国の業者が輸入して勝手に外国で全年齢対象で販売したことなのだ。咎められるべきはその外国の業者と、それに便乗してけちをつけたイギリスとアメリカの常識のなさである。そこを指摘しないのは、この事件を利用して規制を強めて美少女ゲームを撲滅してやろうという悪意しかないからだ。
　多くの人は、ポルノについて誤解している。規制論者が理解していないのは、彼女たち自身がそもそも自分自身の性＝性欲を見つめなおせていないから、つまり、人として狭量な半端野郎だからだが、別の言い方で言いなおすと、誤解の前提には、オナニー自身から目を背けてオナニーの効用を考えないところにあるようだ。
　オナニーを汚らしいものと考えたのは１世紀前の話。当時は資本主義の立場から、「オナニーをすると頭が悪くなる」とか「精神に悪影響が出る」とか、トンデモ発言が出たものだ。現在、ポルノを糾弾する人の多くは、そのトンデモ発言をいまだに信じているように思える。
　ポルノを知らない人は、ポルノは悪であると決めつける。ポルノは犯罪や悪魔と同じだと見なす。だが、ポルノは殺人ではない。悪魔でもない。そもそも、自分の好きな小説やマンガを読みながら一人自分の下半身をこするそのどこに犯罪があるというのか。決して他人を襲っていないのに？　頭の中でテロを考えたら、テロの実行犯と同じ犯罪者だと言うのだろうか？
　もしポルノを読みつづけたら悪魔になるというのなら、すでに10億人は悪魔ということになるが、そんな話は聞いたことがない。悪魔はむしろ、別の方にある。ぼくは、規制論者を見ていると、罪もない人々を魔女に仕立て上げて数十万人を虐殺した魔女狩りを思い出す。これは現代の魔女狩りだ。それも世界的なレベルでの。
　ポルノに関して、非常に有名な言葉がある。ポルノ作家・北原童夢氏の名文だ。

　私見をいえば、ポルノグラフィーは決して性犯罪を奨励している訳ではない。それは実践への呼びかけではないのだ。ポルノは単に、読者が個的な「妄想」を掻き立て、そのことによってささやかな性的カタルシスを得るための媒体にすぎない。
（館淳一・北原童夢・睦月影郎・田拝聡一郎『作家養成講座　官能小説編』ベストセラーズ）

　それでも過敏な人は『レイプレイ』に対して、「女性をレイプして、しかも中絶させるなんて」と眉をしかめるかもしれない。だが、それはポルノというものを知らぬ人の安易な脊髄反射でしかない。ポルノには、陵辱や強姦などのどす黒い性欲や攻撃欲を昇華させ、発散させる心理的機能がある。そして、どうやらそれは強姦件数の低さと関係しているみたいなのだ。日本でも規制の緩かった７０、８０年代は性犯罪が少なかったと報告する者もいる。ポルノは国家の安定装置なのだ。それを一切放棄してポルノの全面禁止を叫ぶ者は、社会の混乱と暴動を、性犯罪の上昇を招きたいのだとしか思えない。ポルノをなくすのは、部屋のゴミを片づけるのとはわけが違うのだ。
　ゴミ虫という虫がいる。ゴミの中によくいる虫だが、土の浄化に非常に役に立つ昆虫だ。そのゴミ虫を、汚いからといってこの地球上から全滅させるのだろうか？　ポルノ規制論者が言っているのはそういうことだ。結局は、自分が気に入らないから、汚らわしいと思うから規制しようとしているだけなのだ。それも、狭くチープなキリスト教的倫理観と未熟な性意識から。
　恐らく、今は世界的なポルノの危機なのだと思う。それもすでに反論力を確立した小説の危機ではなく、ゲームやマンガのグローバルな危機なのだと思う。その危機がひたひたと忍び寄っている。たとえば、アメリカでは日本のエロマンガを所有していた39歳の事務員が児童ポルノ法の違反で逮捕という憂き目に遭っている。

⇒日本のマンガを集めていた米国人、児童ポルノ禁止法違反で有罪に

　二次元や三次元的ヴァーチャル映像を児童ポルノ禁止法の対象に含めることは違憲であると、アメリカの最高裁判所は答えを出しているが、にもかかわらず、アメリカは二次元に対しても不当に踏み込んで処罰を行なっている。そして最高裁判所の判決に逆らう不敵な態度を、自国だけでなく日本にも押しつけようとしている。その一環が、今回の『レイプレイ』事件なのだ。
　『ｋａｎｏｎ』を生み、『Ａｉｒ』を生み、外国人も知っている『デモンベイン』も生み、『Fate』も生んだ美少女ゲームが消滅しかかっている。ぼくらはその危機に対して、立ち向かう必要があるだろう。
　国民よ立てとギレン・ザビは叫んだが、その言葉は今、こう読み替えられるべきかもしれない。「オタクよ、立て！」と。

【 告知 】
６月中旬に、愛育社から『美少女ゲームシナリオバイブル』が出ます。その中でも、規制問題のことを少し扱っています。

　真偽はともかくとして、ソフ倫が陵辱系ゲームの製造販売を禁止することにしたというニュースが流れた。問題はそれが真実かどうかではなく、ＴＢＳのニュース映像だ。ここにもまた、強引なレトリックが見て取れる。
　秋葉原の店員は、陵辱系ゲームは「全体の１～２割」と話していたのに、その場面を流したあとにわざわざテレビ局の方は「全体の２割を占める」と言いなおしていた。大きい方の数値をとって脅威を増そうとしたわけだ。実にあざとい。マスゴミと言われる所以だ。
　さらに、アナウンス原稿は「あまりの衝撃的な描写のために、イギリス議会で問題視された」とつづく。
　ならば、監禁しまくったり調教しまくったりしているハードポルノはどうなんだ？ 小説の世界では２０年前からそういうことをやってるぞ？
　にもかかわらず、「あまりに衝撃的な描写」？
　そもそも、『レイプレイ』については、販売自粛する必要性もなかったし、もちろん、陵辱系ゲームを全面禁止する必要も規制強化をする必要も存在しないのだ。
　国内セールスオンリーとされている商品を勝手に外国の連中が購入して、勝手にイギリスで、しかも全年齢対象で売りさばいた。それだけのことだ。悪いのはいったい誰だ？　もし誰かが女性器オープンのアメリカのPLAYBOYを勝手に購入して勝手にアマゾンジャパンで売ったら、日本の国会議員はこう言うのだろうか？　「こんな卑猥なものを売るなど、アメリカはけしからん！」。
　イギリスの議員がやったことはそれと同じことだ。それにアメリカの人権団体がつけこんだ。日本の美少女ゲームを撲滅させるべく第一歩を踏み出した。それだけのことである。それに対して過剰反応する必要はないし、もちろん、取り締まりを強化する必要もない。ただ一言、はっきりと言えばいいだけだ。違法的に手に入れて違法的に販売したものを他国のせいにするとは、それが英国紳士の流儀かと。
　日本ではソフ倫はいくつかの都道府県からお墨付きをもらっているし、そもそも、年齢区分をして販売している。もし『レイプレイ』に問題があるのなら、2006年に発売された時点で糾弾されている。それに、レイプゲームをプレイして実際にレイプに走るような野蛮人は、日本には存在しない――他国の文化に噛みつく礼儀知らずな英国やアメリカには、そういう野蛮人がいるのかもしれぬが。
　怒鳴り返さねば、人権団体やマスメディアは自分たちの利権のためにひたすら叩く。大声で反論しなければ、「こいつ、叩いたらもっとつぶれるぞ」とばかりに攻撃され、美少女ゲーム自体が消滅に追い込まれる。今、ぼくらに求められているのは、はっきりと公の場で怒鳴り返すことだろう。

【 告知 】
６月中旬に、愛育社から『美少女ゲームシナリオバイブル』が出ます。その中でも、規制問題のことを少し扱っています。

　『レイプレイ』の反響を「広げよう」としている連中がいる。次のニュースを読んでほしい。

●日本製「性暴力ゲーム」を批判　自民女性局長「規制を検討」

　現在、施行中の児童ポルノ禁止法では、実写が禁止されている。アニメやマンガ、ゲームなどの二次元の映像は禁止されていない。しかし、なんとしてでもアニメやマンガなどの二次元絵も禁止対象にねじ込もうとしている連中がいて、ここ数年何度も改正＝改悪を言い出して抗争をつづけているのだが、やはり今回の事件を機に動いてきた。イギリスとアメリカという二大ピューリタン国家の後押しを受けて「自分たち＝自分たちの後援者」が気に入らないアニメやマンガやゲームを禁止してしまおうという魂胆らしい。そして、それに手を貸しているマスコミがいる。
　記事のレトリックに注意してほしい。

　自民党の山谷えり子女性局長（参院議員）は２２日、国会内で記者会見し、日本の業者が開発、販売している「性暴力ゲーム」を批判し、実態を調査するとともに規制策を検討していくことを明らかにした。

　「美少女ゲーム」ではなく、「性暴力ゲーム」と言い換えているところに注意してほしい。『レイプレイ』は性暴力ゲームではない。れっきとしたポルノゲームであり、美少女ゲームである。つまり、秋葉系文化の１つである。
　にもかかわらず、「『レイプレイ』は危険な暴力、それもけしからん性的暴力なんですよ、はなから不法な存在なんですよ」と嘘のイメージを大衆に植えつけようとしている。偏向報道もいいところだ。マスコミの分際でよくそんなことができたものだ。

　日本製のゲームソフトをめぐっては、少女をレイプして中絶させるといった内容のパソコンゲームソフトが今年２月、英国の国会で問題視され、欧米各国で販売中止となっている。また、この種のゲームを野放しにしている日本政府に対して、海外の人権諸団体から抗議の声が上がっている。

　ここにもまた、規制を押し進めようとする連中のレトリックが働いている。「野放し」という表現に注意してほしい。
　「野放し」になっていたのは、1992年ソフ倫が設立される前の話。『１７７』が発売された1986年とも沙織事件の発生した1991年ともわけが違うのだ。にもかかわらず、同じレトリックが用いられている。現在、美少女ゲームは自主審査を受けており、野放しとは程遠い。
　もう１つ注意したいのは、次の記述だ。「少女をレイプして中絶させるといった内容のパソコンゲームソフト」という部分。
　ヒロインには母親もいるはずだが、その母親は切り捨てられて「少女」という不正確な一語に置き換えられている。「少女」と記せば、けしからん度合いは増す。非常に悪質な、意図的なものを感じる。
　さらに「中絶させる」という部分にも、悪質な、アメリカの意図的なものを感じる。
　アメリカは性的に寛容な国と勘違いされているが、実は性的に潔癖で非常にうるさいピューリタン国家である。確か、中絶問題に関しても、相当うるさかったはずだ。大統領選でも、中絶に対してどう対応するかで票が変わった記憶がある。中絶断固許すまじという、超保守的な連中がぞろぞろいるのが、アメリカという国なのだ。そのアメリカというあくまでも個別の国家が中絶に対して持っている個別の意識を勝手に他国に普遍的に当てはめて「中絶させるゲームをつくるなんて、まあひどい！」なんてレトリックを匂わせたり非難したりするのは、それこそ「暴力」以外のなにものでもない。
　この国の自由とは、「自由に他国に侵略し、自由に他国に内政干渉する自由」である。他人の部屋に土足で入り込み、他国の文化風習にけちをつける自由である。その世界一横暴な自由を、日本のサブカルチャーに振るおうとしている。
　人口10万人あたりの強姦事件数は、アメリカが38件で世界ワースト11位。日本は1.3件で95位だったと聞く。レイプゲームの影響を考えること自体が、仮定として間違っている。『レイプレイ』を性暴力ゲームと言うのならば、アメリカが他国、特に日本に対して行なっているのもまた、文化暴力ゲームだ。にもかかわらず、イギリスやアメリカの抗議を真に受けてしまう、アメリカかぶれした痴れ者議員たち。まったく日本の議員なのだかアメリカの議員なのだか、わかったものじゃない。

　山谷氏は「党の女性局として、このような現状を調査し、有識者とも意見交換して（規制策の）提言をまとめたい」と述べた。山谷氏は、与党が検討中の児童ポルノ規制法の改正内容にも反映させていく考えを示した。

　このように記事は結んでいるが、ここにも嘘が隠されている。事件があったから規制を考えたのではなく、最初から規制を考えていたところに、法改正と自己アピールの好機が飛び込んできただけの話だ。
　高度に比喩的な言い方をすれば、規制派連中は、『レイプレイ』をレイプしようとしている。『レイプレイ』によって犯されたありもしない被害者を仮構して、それによって美少女ゲームを、否、ぼくたちが愛する秋葉系文化を文化的にレイプしようとしている。一番許されないのはそっちの方だ。
　ぼくらオタクに必要なのは、ぼくたちが愛するフィクションをめぐる政治的・法的状況に敏感になること、そして声をあげることだろう。もし女性のコスプレイヤーたちが『レイプレイを悪者にするな』『ゲームが悪いと決めつけるな』なんてプラカードを掲げて行進したとすれば、すばらしいアピールになるだろう。また、アキバblogなどの秋葉系メジャーニュースブログが反対キャンペーンを張ることも。

【 関連記事 】
⇒レイプレイを批判した野蛮人たち

　鏡裕之の最新ゲーム情報です。
　５月２９日、つまり今から１週間後にオッパイ妻シリーズの最新作がダウンロード販売されます。
　『オッパイ妻～高飛車Ｈカップ・風間暁美～』（モーニングスター）
　オッパイ妻シリーズの３作目です。
　ほんとありがたいよね。みなさんのおかげで『３』までやってきました。５月２９日は乾杯です。
　ダウンロード販売に先立ち、ちょびっとだけエッチなＣＧをお見せします。巨乳ファンは目を開いて見るのよん。
　あ。
　あとティッシュペーパーもご用意を（笑）。

　満員電車の中、後ろからムニュッ♪

　エレベーターの密室でモミモミ♪

　そしてダーツバーでチュパチュパ♪

　そして、バニーさんのご奉仕！
　ぐふ。
　ぐふふふ。
　いい感じでしょ？
　両乳吸っているところがポイントです（笑）。これは絶対外せない！　もちろん、パイズリもね。エレベーターに乗ったら爆乳を揉みしだくのが日本の礼儀作法です（笑）。
　今回、完成ＣＧをいただいたのですが、正直、どれをアップするべきか悩みました。全部載せたいぐらいでした。凄いです。今回は載せませんでしたが、もちろん挿入のＣＧもありますのでご安心を。
　今回もぼくはプロットとシナリオに参加しています。ヒロイン「暁美」と書いて「あけみ」と呼ぶんですが、非常にグーです。
　最初は高飛車で冷たい態度をとっていた美人課長が、次第に……というムフフフゥなお話です。
　お楽しみにっ!!

　どこかの国の某人権団体が『レイプレイ』を「強姦するゲームだ」「こんなゲームが手に入るとはけしからん」「日本は規制が甘い」とか、香ばしいことを抜かしたらしい。
　内政干渉もいいところだよね。というか、いつになったら「自分たちが正しく清純で善の側で、自分以外は悪である」というくだらない価値観から脱出できるのだろう。ほんと、ピューリタニズム的倫理観って、最低。文化の癌だよね。
　『レイプレイ』がいけないというのなら、あのソフトが発売されてから日本で痴漢が増えたのか。強姦犯罪が増えたのか。その証拠を突きだせと言いたい。
　ポルノ禁止論者は、ポルノを見ると人は興奮する。欲望するという。そしてそれが犯罪に結びつくという。
　興奮する、欲望するまではその通りだけど、果たして犯罪に結びつくのか？　そりゃ、見た直後は興奮するよ。性的なことを考えるよ。
　でもね。
　一番大切なことを忘れてないかい？
　ポルノを見た人は、その後、自分の部屋でオナニーするのよ？　見てそのままで終わりなんて使い方は、普通はしないのよ。そこまで見ずに「ポルノは性犯罪を増加させる」なんてテーゼを振り回すのは、乱暴以外の何物でもない。こんなの偽証罪に近いよね。
　ポルノを鑑賞した人は、鑑賞したあとあるいは途中に、オナニーをするんです。オナニーをしてしまうと、性欲も悪の犯罪欲も危険な攻撃欲も、すべて昇華＆消散するんです。それがポルノの一番の存在理由、一番の効用なのです。
　ポルノって、近代国家の安全な維持にめちゃめちゃ役に立ってるのよね。ちょうどみんなが汚い汚いって騒ぎ立てるゴミ虫が、実は土の浄化に役立っているのと同じ。ポルノ禁止論者の理屈って、自分が醜いと思うから、自分が汚らわしいと思うからって理由だけで、ゴミ虫を廃寺＆殺害せよっていう、とっても横暴な独裁的なものなんだよね。まるで、虫が大嫌いでわめきたてている『天空の城ラピュタ』のムスカみたい。あのシーンで「焼き払ってやる」って言ったムスカに、イラッとしなかった？　ヒトラーが死んで半世紀以上経ってるのに、この頭のアナクロニズムには笑っちゃうよね。あなたたちは脳味噌だけ化石ですか？
　それとも。
　批判している国の人たちは、ポルノを見るとオナニーせずに野獣のように女に飛び掛かって強姦を連発するのかしら。まあ、野蛮な国。紳士の国とは思えないね。そんなにあなたたちの国の人は民度が低いのかい？
　ともかく。
　『レイプレイ』だって同じこと。あのゲームは強姦を推奨するためにつくっているわけじゃない。むしろ、強姦という悪の欲望を昇華させるためにつくってある。日本の性犯罪は決して高くはありません。それは、恐らくこれだけポルノが氾濫して、男の性欲と攻撃欲を昇華させているからなんじゃないか、と思う。
　ポルノ禁止論者って、オナニーという現実から目を背けまくってる現実逃避主義者の感じがしてきちゃうのね。現実に対して免疫がない弱っちい人たち。３Ｄでリアルライクだったからってびびって過剰反応しているのは、ミニスカの女子高生を見かけて「風紀が乱れている～っ！」と叫んでいるジジイと何ら変わりない。ポルノの効用やエロティシズムすらわからない低い知性の持ち主に、他国批判なんかしてほしくない。人のこと批判する前に、君のその性格と見識を直したら？　って言いたくなっちゃう。フロイトから１００年経っているのに、いまだに「性＝オナニー」を自分の中で消化できないでいるって、それって、ただ自分が狭量で清濁併せ呑む奥の深さがないってことじゃんね。
　数学が嫌いで数学が苦手な人がよく「数学なんて役に立たない。数学は受験勉強から排除すべきだ」なんて妄論を時々でっちあげているけど、なんか、それと似てるね。自分のコンプレックスを自分の内部で解決しないで、社会の仕組みを変えて自分を正当化しようとするの、思いっきりみみっちい行為だからやめてほしいよね。
　下戸は酒のことをとやかく言うものじゃないと思う。酒も飲めず、酒の味もわからない人に酒を禁止せよなんてことを言う権利も資格もないね。『レイプレイ』を批判しやり玉に挙げた連中は、自分がいかに人間として劣っているか、いかに野蛮かを反省してほしいものだと思う。

魔女にタッチ！

　本日、著者新刊『魔女にタッチ！』が発売となりました。
　イラストはくりからさんです。
　多くの人が読んでくれて、多くの人が楽しんでくれるといいですね。