エロマンガみたいな恋しよう

　ヤスイリオスケの処女作『エロマンガみたいな恋しよう』は、かなり諧謔的なタイトルである。
　虚構の中に虚構がある。夢を見たという夢を見た。虚構の中で「これは虚構だ」と意識する。夢の中で「これは夢だ」と意識する。虚構の中に虚構がある、虚構の中で虚構の意識を持っている、そういうマトリョーシカみたいな虚構構造をメタフィクションと云う。
　ヤスイリオスケ『エロマンガみたいな恋しよう』は、正真正銘、エロマンガである。実にメタフィクションな、ひねくれたタイトルだが、中身のエロはひねくれてはいない。
　乳房へのフェティシズムあふれるトーンと映像。揉み吸い挟みの三拍子を完璧にそなえているわけではないけれど、頁からあふれる乳シズムに、久々にエロ魂が湧き踊った。よき巨乳コミックである。今年最後のおっぱい漫画だね。